logo

blogブログ

2024.1.8 根面う蝕

根面う蝕というのを聞いたことがありますか?

歯の健康は私たちの全体的な健康と日々の生活に重要な役割を果たします。しかし、歯の一部である根面に生じるう蝕(むしば)は、多くの人々が直面する問題です。この記事では、根面う蝕について詳しくお話し、その予防方法について考察します。

目次

◯そもそもむし歯とは?

◯根面う蝕の定義と原因について

◯根面う蝕のおおまかな症状と進行

◯根面う蝕の予防方法
◆規則正しい歯みがきやフロス、歯間ブラシを使うといった日々のセルフケア習慣の確立
◆専門的な知識のある歯医者にて行う歯科検診とクリーニング
◆健康的な食生活の維持
◆歯を保護する

◯根面う蝕の治療方法と管理
◆治療方法
◆治療後の管理

◯患者さん自身の根面う蝕に対する意識の向上

◯まとめ

◯そもそもむし歯とは?

根面う蝕を理解するためにはまず、大前提として歯周病とむし歯について知っておく必要があります。皆様のお口の中では、腸にある腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)と同じように、口腔内細菌叢という口の中に一定の菌が住み着いています。また、それらは大まかに分類すると歯周病の菌とむし歯の菌に大別され、常にシェア争いをしています。

よくむし歯になったことがないといった人や、歯が抜けてしまったという人の話を聞くかもしれません。このような場合は、むし歯の菌の割合より歯周病の菌の割合が多いかもしれませんね。

このように様々な菌が口の中にいますが、それらの菌はざらざらしているところに付着しやすいです。よくある例が、歯石が付いてしまっているために歯周病が進行している、などです。歯周病が進行してしまい、歯茎が下がり、根面のざらざらした部分にむし歯の菌が付着しむし歯となってしまったのが根面う蝕です。

ではもう少し詳しく根面う蝕についてお話ししましょう。

◯根面う蝕の定義と原因について

根面う蝕は、歯の根面に発生するう蝕の状態を指します。根面は歯冠部(見える部分)の下に位置し、歯茎に近い部分です。根面は歯ブラシで磨きにくく、食物や細菌が付着しやすいため、う蝕のリスクが高まります。主な原因は、不適切な口腔衛生、歯磨きの回数が少ないこと、砂糖や酸性食品の摂取、またそれによる歯のエナメル質の脱灰などが挙げられます。

◯根面う蝕のおおまかな症状と進行

根面う蝕の最初の方で起きる症状は、しみるような感覚や、温かいもの冷たいもの問わず歯が温度に敏感になることです。進行すると、歯の表面にクリーム色や茶色、黒色の斑点が現れ、溝やくぼみが形成されます。さらに進行すると、歯茎の炎症や腫れ、歯の根部の感染などの問題が起こる可能性があります。

◯根面う蝕の予防方法

根面う蝕の予防方法はどのようなものがあるでしょうか。予防には、次にあげるような方法が役立ちます。

◆規則正しい歯みがきやフロス、歯間ブラシを使うといった日々のセルフケア習慣の確立

歯磨きを毎日2~3回行い、歯ブラシだけでなく、歯と歯の間にフロスや歯間ブラシなどを使用して根面を含む歯の全体を掃します。

◆専門的な知識のある歯医者にて行う歯科検診とクリーニング

定期的な歯科検診と予防のための歯のクリーニングを受けることで、歯の健康状態を確認し、早期の根面齲蝕の発見と治療が可能となります。

◆健康的な食生活の維持

砂糖や酸性食品の極端な摂取を制限し、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。また、食後には歯を磨くか、水で口をすすぐことで食ベカスなどをなるべく取り除きます。

◆歯を保護する

スポーツや活動時には適切なマウスガードを使用し、う蝕のところが原因で歯が割れてしまったりしないよう、歯を保護することが重要です。

◯根面う蝕の治療方法と管理

根面う蝕は通常のむし歯と同じく削って詰めるだけではなく、定期的にメンテナンスを行うことで進行を抑制するコントロールができます。

◆治療方法

根面う蝕の治療方法は、う蝕の進行度合いにより異なります。初期段階では、歯の表面にフッ素を塗るといった処置を行い、再石灰化を促進することでう蝕を進行させないようにします。進行した場合には、歯の根面に詰め物や被せ物を行い、歯の機能と外観を回復させます。あまりに重度の場合には、根管治療や歯の抜歯が必要な場合もあります。

◆治療後の管理

その後は専門家である歯科医師や歯科衛生士さんにきちんと見てもらいましょう。根面う蝕の予防と治療において、歯科医院のスタッフとの協力は非常に重要です。定期的な歯科検診を受けることで、歯の健康状態を評価し、根面う蝕の早期発見や治療計画を立てることができます。また、歯科医師は適切な口腔清掃の方法や栄養指導などを行ってくれます。解らないことなどを積極的に質問をすることで、自身の口腔健康に関する知識を深め、予防策を学ぶこともとても大切です。

◯患者さん自身の根面う蝕に対する意識の向上

根面う蝕は問題ですが、進行が緩やかで、急性のむし歯のようにズキズキ痛いといった主訴が起こりづらく放置しがちなため、重要な予防策が見落とされることがあります。口腔清掃の重要性と根面う蝕のリスクについて、きちんとした知識や日々の管理方法を知ることが必要です。放っておくことで管理中の根面う蝕が進行し、歯が残せなくなってしまっては困りものです。自身の健康状態を把握し、予防策を実践することで、根面う蝕の発生や進行のリスクを減らすことができます。

◯まとめ

改めて根面う蝕の重要性についてお話しします。根面う蝕は、歯の健康において重要な課題です。正しい予防方法の実践と早期治療は、歯の損失や感染のリスクを軽減し、健康な口腔状態を維持するために不可欠です。定期的な歯科検診を受け、適切な口腔清掃習慣の維持を維持することで、根面齲蝕の予防と早期発見につながり、充分管理することができます。そのために、歯科医院での専門家への相談やしっかりとセルフケアを行うことがとても重要であることがわかります。定期的な歯科検診、適切な口腔清掃、健康的な食生活の維持を心がけ、歯の健康を守りましょう。