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2024.1.17 入れ歯の種類:アクリルレジンとコバルトクロム

今回は入れ歯について、材料の違いと選択のポイントについてお話しします。

目次

○入れ歯とは?

○入れ歯の材料に使うアクリルレジンとコバルトクロムは何が違うの?
 ◆アクリルレジンのメリット
 ◆アクリルレジンのデメリット
 ◆コバルトクロムのメリット
 ◆コバルトクロムのデメリット

○自費と保険の入れ歯の違いは?
 ◆自費の入れ歯の特徴
 ◆自費の入れ歯のメリットとデメリット
 ◆保険の入れ歯の特徴
 ◆保険の入れ歯のメリットとデメリット

○自分にあった入れ歯を選ぶポイント
 ◆予算
 ◆見た目と快適性
 ◆耐久性とメンテナンス
 ◆歯科技術と専門知識
 ◆保険の適用範囲

○まとめ

○入れ歯とは?

入れ歯は、歯を失ってしまった人々にとって機能的かつ美しい笑顔を取り戻すための重要な補綴(抜けた歯を補う)の手段です。入れ歯の選択肢として、材料で分類するとアクリルレジンとコバルトクロムと分けられますが、言い換えれば自費の入れ歯と保険の入れ歯ということです。自費の入れ歯と保険の入れ歯がありますが、これらにはいくつかの違いがあります。今回の記事では、自費の入れ歯と保険の入れ歯の違いについて詳しく説明し、選択のポイントについてお話できたらとおもっています。

○入れ歯の材料に使うアクリルレジンとコバルトクロムは何が違うの?

◆アクリルレジンのメリット

アクリルレジンは、義歯床用アクリリックレジンと呼ばれ、レジンからできており、いわばプラスチックでできた入れ歯のことです。プラスチックのため安価で、保険を使用した義歯はアクリルレジンから作られます。メリットは健康保険を使えるので比較的安価で入れ歯が作れること、削るなどの調整が比較的簡単であることなどがあります。

◆アクリルレジンのデメリット

その反面デメリットとして、プラスチックでできているので着色しやすいことや、割れやすいため、厚みをもたせている≒違和感が大きいことや温度が伝わりにくいことが挙げられます。

◆コバルトクロムのメリット

一方で、コバルトクロムはコバルトとクロムをメインに混ぜた合金でできた入れ歯を指します。金属はプラスチックより強度があるため、薄く作ることで違和感が減り、さらに温度を伝えるためさらに快適な使いごこちが得られ、耐久性もよく長持ちします。

◆コバルトクロムのデメリット

保険がきかないため自費診療となることから高額な治療になってしまったり、金属部分はレジンに比べると調整が大変です。

以上を踏まえて、自費の入れ歯と保険の入れ歯はどう違うかということに焦点を当ててお話しします。

○自費と保険の入れ歯の違いは?

◆自費の入れ歯の特徴

自費の入れ歯は、患者が費用を全額負担する必要がある入れ歯のことを指します。自費の入れ歯は、一般的に高品質の材料や最新の製造技術が使用されており、個々のニーズや要望に合わせてカスタマイズすることができます。自費の入れ歯は、個々のケースに応じて詳細な診断や治療計画が行われ、歯科医師と患者、技工士などの密なコラボレーションが行われることが特徴です。

◆自費の入れ歯のメリットとデメリット

自費の入れ歯は、使える歯の種類を選んだりすることでより自然な見た目や快適性を実現することができます。また、耐久性や長寿命性も高く、長期的にみるとメンテナンスや修理の必要性が少ない場合があります。自費の入れ歯は、患者個人の予算や好みに合わせて選択することができますが、その代わり費用は金属の使用量が多いことも相まって、一般的には高額です。

◆保険の入れ歯の特徴

保険の入れ歯は、歯科の健康保険によってカバーされる入れ歯のことを指します。保険の入れ歯は、一般的に自費の入れ歯に比べて費用が抑えられますが、その代わりに様々な制限が存在する場合があります。保険の入れ歯は、保険で使用できる入れ歯の材料や製造のプロセスが定められており、カスタマイズを行うことが制限されることがあります。保険の入れ歯は、一般的な歯科の基準や規定に基づいて作成されるため、個々の患者のニーズや要望に完全に合致しない場合があります。さらに、保険の入れ歯は一般的に製造における工程が画一的になるよう簡略化されているため、自費の入れ歯と比べて見た目や快適性において劣る場合があります。

◆保険の入れ歯のメリットとデメリット

保険の入れ歯は、耐久性や長寿命性においても自費の入れ歯に比べて劣る可能性があります。保険の入れ歯は、費用がある程度制限がある患者にとっては経済的な選択肢である一方で、長期的なメンテナンスや修理の必要性が増える可能性があります。

○自分にあった入れ歯を選ぶポイント

では結局どのように入れ歯を選んだらよいでしょう。選択のポイントについてお話しします。自費の入れ歯と保険の入れ歯どちらを選択するかは、患者の個別の状況や要件によって異なります。以下のポイントを考慮するとよいでしょう。

◆予算

自費の入れ歯は一般的に高額ですが、高品質やカスタマイズ性に優れています。一方、保険の入れ歯は費用が抑えられますが、本来の希望より制限がある場合があります。予算に応じて選択する必要があります。

◆見た目と快適性

自費の入れ歯は、設計や色調など個々のニーズや要望に合わせてカスタマイズされるため、より自然な見た目や快適性を実現できます。保険の入れ歯は一般的な基準に基づいて作成されるため、カスタマイズできる範囲が制限される場合があります。

◆耐久性とメンテナンス

自費の入れ歯は一般的に耐久性や長寿命性が高く、メンテナンスや修理の必要性が少ない場合があります。保険の入れ歯は、製造や材料などが原因で耐久性や長寿命性に劣る可能性があります。

◆歯科技術と専門知識

自費の入れ歯は、高品質の材料や最新の製造技術が使用されるため、歯科医師や技工士を含めた専門知識と技術が必要です。保険の入れ歯は一般的な製作基準に基づいて提供されるため、特別な技術や専門知識はほとんど必要ありません。

◆保険の適用範囲

保険の入れ歯は、歯科健康保険の適用範囲内で提供されます。保険の適用できる範囲や部位などの制限については、保険のプランや契約内容によって異なります。保険の規定に縛られることが好ましくない場合には、自費の入れ歯を検討する必要があります。

○まとめ

自費の入れ歯と保険の入れ歯には、大きく材料に基づいた費用、カスタマイズ性、耐久性、メンテナンスなどに違いがあります。患者さんは主に予算、それから見た目と快適性、耐久性とメンテナンス、歯科技術と専門知識、保険の適用範囲などを考慮して、自身のニーズに合った入れ歯を選択するすればよいでしょう。まずは、いろいろな治療法を聞きに、歯科医院での歯科医師との相談やアドバイスを受けてみてはいかかでしょうか。