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2022.11.26 シーラントってやったほうが良い?

目次
1.シーラントって何?
2.シーラントの目的
3.デメリット
4.まとめ

シーラントって何だろう?

小学校の歯科検診で、「シーラント」と言われたことはありませんか?
また、小さなお子様がいるご両親の皆さん、歯科医院でシーラントしたほうがいいですよ、と言われたことはありませんか?
よく聞くけど…でもシーラントって何?と思いますよね。
シーラントとは光で固まる性質をもったフッ化物を含む樹脂(プラスチック)材料です。
じゃあ目的は?何のためにやるの?
詳しく解説します。

シーラントの目的

まずはシーラントを行う目的から説明しましょう。
シーラントを行う目的は主に、
①生えたばかりの永久歯や子供の奥歯の虫歯予防
②フッ化物による再石灰化を期待
の、2つです。

生えたばかりの永久歯(幼弱永久歯:ようじゃくえいきゅうし)は、表面のエナメル質が大人と比べてやわらかく、虫歯になりやすい状態です。
特に、臼歯は歯の溝が深く、複雑なため、知らず知らずに汚れがたまることで虫歯になってしまうことが多いのです。
また、子供の奥歯(乳臼歯:にゅうきゅうし)は永久歯よりも複雑な形状をしています。特に、子供の不十分な歯磨きでは、乳歯が元々柔らかいことも相まって、すぐに虫歯になってしまうのです。
そのような虫歯になりやすい部分を樹脂で埋めることで、事前に汚れがたまることを防いで虫歯を予防しよう!というのが一番の目的です。
加えて、このシーラントにはフッ化物が含まれているため、初期虫歯の段階であれば、エナメル質が自分で虫歯を治そうとする再石灰化(さいせっかいか)作用を期待・促進することができるのです。

シーラントを行うことで、約60%の患者で4年以上の虫歯予防効果が得られるとの報告があります。フッ素を含む洗口液でのうがい(フッ化物洗口)を併せて行うことで虫歯予防効果は更にアップします。
ただし、シーラントを行ったからと言って歯磨きが要らなくなるという事ではありません!歯の溝は埋められても、歯と歯の間や磨きにくいベロ側からなど、どんな場所からでも出来てしまいます。
こまめな歯磨き、特に小さいお子さんの仕上げ磨きはしっかり行うようにしましょう。

では、シーラントはいつ行うのが一番良いのでしょうか。
歯が生えたらすぐ?
全部大人の歯に生え変わったら?
大人になってからでもいいの?
悩みますよね。
シーラントを行う最適な時期は、乳臼歯が生える3歳くらい、6歳臼歯・12歳臼歯が生えてくる6歳から13歳くらいまでの間です。
ただし、3歳くらいの時には、歯科治療でじっとしていられないことも多く、嫌がってしっかり治療が出来ないこともありますので、歯科医院の先生と相談して決めることをお勧めします。

歯は生えてきてすぐが一番無防備な状態です。
エナメル質は人体の中で最も硬い組織ですが、生え始めの歯のエナメル質はとても柔らかく、虫歯になりやすいのです。
そのため、お子さんの臼歯が生えてきたら早めにシーラントを行うことをお勧めします。

シーラントのデメリット

シーラントのデメリットなんてあるのでしょうか。
実は少しだけお伝えしなければならないデメリットがあります。
1つは、シーラントは歯の溝に樹脂材料を接着させています。
残念ながら永久的なものではないのです。
経時的に取れてしまったり、一部が欠けてしまうことがあります。
取れてしまった部分はもちろんですが、欠けてしまった部分は段差になりやすく、特に汚れがたまりやすくなってしまうため、結果的に通常よりも虫歯リスクが高くなってしまうというデメリットです。
2つ目は、シーラントの下に出来た虫歯を見つけにくくしてしまうというデメリットです。前述したように、欠けた部分から虫歯になってしまうとシーラントの下で虫歯が広がっていても早期に発見することが難しくなってしまうことがあります。
そのデメリットを軽減するために透明なシーラントもありますが、透明な場合、どこにシーラントを詰めたかわからない!という歯科医師泣かせのデメリットも出てくるため、あまり使われていないのが現状です。

しかし、いずれのデメリットも、定期的な検診を続けていれば防げるものです。
そのため、シーラントの治療を受ける際には、必ず定期健診を続けるようにしましょう。

なお、一時期シーラントに含まれる材料が人体に悪影響を及ぼすといった情報が流れたことがあったようですが、そのような影響はないとの研究報告が成されていますので、安心してください。

まとめ

・シーラントを行うことで、4年以上の虫歯予防効果は約60%
・フッ化物洗口を行うことで、更に予防効果はたかまる。
・シーラントを行うのは、乳臼歯が生えてくる3歳前後、6歳臼歯・12歳臼歯が生えてくる6歳から12歳前後が最適
・シーラントを行った場合でも、日常の歯磨き・仕上げ磨きと定期健診が必須

以上、シーラントについて詳しく解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
シーラントは確実な定期健診や、日頃の歯磨き・仕上げ磨きを行っていれば虫歯予防には有用な治療です。
治療を行う時期を逃さないようにしてシーラントを活用しましょう。