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2023.3.22 銀歯が原因で金属アレルギーに!?

皆さんは金属アレルギーと聞いて、どのようなものを思い浮かべますか?

ネックレスやピアスなどの金属が皮膚に触れることで、肌がかぶれたり痒くなったりすることを思い浮かべる方も多いと思います。

でも、実はお口の中の銀歯が原因で金属アレルギーが起こることもあるのです。

銀歯が原因の金属アレルギーの症状はお口の中だけでなく、全身に生じることもあります。

今回は、金属アレルギーの起こるメカニズムや症状についてご紹介します!

目次

◯銀歯が原因の金属アレルギーとは

 ◆メカニズム

 ◆症状 

 ◆検査方法

◯金属アレルギーを起こしやすい、詰め物被せ物

◯金属アレルギーを起こしにくい、詰め物被せ物

◯金属アレルギーにならないために

◯まとめ

◯銀歯が原因の金属アレルギーとは

◆メカニズム

お口の中の銀歯が唾液に触れると、金属の成分が溶け出し金属イオンとなります。この金属イオンが体の中のたんぱく質と結合し、アレルギーの原因となるアレルゲンとなり、時間とともにこのアレルゲンが体内に蓄積されることで、アレルギーの原因となります。

お口の中の金属は常に唾液と触れているため、イオン化しやすい環境となります。ネックレスなどアクセサリーの金属アレルギーも、汗をかきやすい夏に発症する方が多いですね。

保険の銀歯には色々な種類の金属が含まれています。どの金属にアレルギーがあるかは人それぞれですが、金・銀・プラチナなどの貴金属やチタンはアレルギーを起こしにくいと言われています。

金属アレルギーの起こしやすい金属は、ニッケル・コバルト・銅・パラジウム・スズなどですが、歯科材料でも多く使われている金属です。

アレルギーの発症は銀歯を入れてすぐに発症するわけではなく、多くの場合5年以上の長い年月をかけて体内にアレルゲンが蓄積されて発症します。

◆症状

銀歯が原因の金属アレルギーでは銀歯の周りの歯ぐきがただれたり、口内炎がよくできたり、舌がピリピリと痛んだりといったお口の中の症状が生じることが多いです。そのほかにも唇や口角が腫れたり、変な味を感じるといった味覚異常の症状が現れることもあります。

また、全身の皮膚にアトピー性皮膚炎のような症状が出たりすることもあります。手のひらや足の裏に多数の水膨れができる掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)といった病気も、銀歯が原因の金属アレルギーで起こることが知られています。

◆検査方法

金属アレルギーの検査は皮膚科で行います。皮膚に様々な金属の成分が付いたテープを貼って、皮膚の反応を見るパッチテストを行っていただきます。場合によっては血液検査を行う場合もあります。

検査でアレルギーの原因となる金属が特定できたら、その金属を含む詰め物を外して交換する必要があります。

◯金属アレルギーを起こしやすい、詰め物被せ物

保険の銀歯には金銀パラジウム合金と呼ばれる金属が主に使われます。これは、金・銀・銅・パラジウム・亜鉛・インジウム・スズなどの金属を含む合金です。

このパラジウムを含む合金は口腔内でイオン化しやすく、アレルギー発症のリスクが高い金属です。海外では、パラジウム合金が人体に悪影響を与えることから、幼児や妊婦への使用禁忌とされている国もあります。

◯金属アレルギーを起こしにくい、詰め物被せ物

金属の中でも、金や白金などの貴金属やチタンは金属アレルギーを起こしにくいとされています。それでも金属アレルギーの発症が完全にゼロではありません。

金属アレルギーの予防には、セラミックやジルコニアといったメタルフリーの素材が最適です。

◯金属アレルギーにならないために

お口の中の金属は、常に唾液に触れてイオン化しやすい環境にあります。特に保険の銀歯はたくさんの金属が混ざった合金であり、金属アレルギー発症のリスクは高くなります。

金属アレルギーは詰め物や被せ物を入れてすぐに症状が出る場合もありますが、アレルゲンが蓄積されることで時間が経ってから発症する場合もあります。

金属アレルギー予防の一番は詰め物、被せ物の必要がないようにむし歯を作らないことです!

すでに詰め物が入っている場合は、メタルフリーのセラミックやジルコニアに変えるのも方法の一つです。

また、金属でも金や白金などの貴金属やチタンは金属アレルギーを起こしにくい素材です。

神経がある歯で、歯をあまり削りたくない場合はこのような金属に変えるのもよいでしょう。

◯まとめ

銀歯が原因の金属アレルギーは、お口の中だけでなく全身の皮膚に症状が出る場合もあります。皮膚科で検査しても、なかなか銀歯が原因と判明しないケースも多くあります。

銀歯を入れないのが一番ではありますが、すでにたくさんの銀歯が入っている方はいっぺんに全部を変えることも難しいですよね。

その場合は、古く劣化した銀歯から変えていくことも方法の一つです。

銀歯は時間が経つと、歯との間のセメントが溶け出して二次むし歯を作りやすくなるというデメリットもあります。

自費治療のセラミックやジルコニアはメタルフリーなだけでなく、二次むし歯のなりにくさやプラークのつきにくさも利点です。

お口の健康は全身の健康につながります!

クリニックでは、患者さんに最適の詰め物、被せ物をご提案します。是非お気軽にご相談ください!