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2023.3.14 保険の白い被せ物、CADCAM冠って?

皆さんのお口に銀歯はありますか?

日本では歯の詰め物・被せ物というと銀歯が一般的といったイメージがありますよね。しかし日本以外の先進国では銀歯を使うことはほとんどなく、お口の中に銀歯が多いとにあまり良いイメージを持たれないことも多いです。

近年日本でも、お口の中への意識の高まりから白い歯を希望される方は多く、歯科医院には口を開けたときに見える銀歯が気になるから白くしたいという方がよくいらっしゃいます。

以前は、保険治療でできる奥歯の被せ物は銀歯しかありませんでした。しかしここ数年はCADCAM冠と言われるプラスチックの歯が保険適用となり、保険治療でも条件を満たせば奥歯に白い被せ物を入れることが可能になりました。

今回はCADCAM冠とはどのようなものなのか、そのメリットとデメリットについてお伝えします!

目次

・CADCAM冠とは?どんな歯に使えるの?

・CADCAM冠のメリット

・CADCAM冠のデメリット

・自費の白い歯について

・まとめ

CADCAM冠とは?どんな歯に使えるの?

CADCAM冠は歯科用のレジン(プラスチック)とセラミックの粉末で作られたブロックをコンピューターで設計し、削りだして作る被せ物です。

保険診療でCADCAM冠は、前から5番目の歯までは無条件で保険適用です。前から6番目の歯に関しては、7番目の歯が4本すべて残っている方は保険適用となります。

前から7番目の奥歯は金属アレルギーがあり、医師からの診断書がある場合のみ保険適用です。

CADCAM冠のメリット

・銀歯に比べて目立ちにくい

CADCAM冠の最大のメリットがこちらです。銀歯だと笑ったときにどうしても見えてしまって、そのせいで笑顔に自信がない・口をあけて笑えないという方もいらっしゃいます。

特に下の歯は、奥歯でも見えやすいため白い歯を希望される方は多いです。

・金属を使っていないので、金属アレルギーの心配がない

保険の銀歯は、使っているうちに金属のイオンがお口の中に溶け出して体内のたんぱく質と結びつくことで、金属アレルギーを発症する場合があります。

金属アレルギーの症状はお口の中だけでなく、体の湿疹やかゆみ、手足の水疱など全身に症状が出ることもあります。心配な方は皮膚科でパッチテストなどのアレルギー検査を行うことがおすすめです。

CADCAM冠は金属を使っていないため、金属アレルギーの心配がありません。

・保険適応になるため、自費治療と比べて費用が抑えられる

セラミックなどの白い被せ物は自費治療となるため、高額になることが多いです。CADCAM冠は保険適応のため、費用を抑えることができます。

CADCAM冠のデメリット

・白いが色調が単調で透明感がない

CADCAM冠は白いものの、色調が単調で透明感がありません。このため、セラミックなどと比較し見た目に劣ります。より自然な被せ物を求める場合はセラミックがおすすめです。

・強度が劣り、摩耗したり割れるリスクがある

CADCAM冠はセラミックに比べて強度が約半分で、割れるリスクが高くなります。また摩耗もしやすく傷もつきやすいため、時間とともにプラークが付きやすくなるリスクがあります。割れやすいため、歯ぎしりがある方には不向きです。

・時間とともに、着色・変色する場合がある

CADCAM冠はプラスチックが含まれているため、時間とともに着色・変色する場合があります。

・銀歯と比べて、歯を削る量が多くなる

CADCAM冠は銀歯やセラミックと比べて強度が弱いです。割れるリスクが高くなるため、少しでも強度を上げるために厚みが必要になります。厚みをとるためには、セラミックや銀歯での治療と比較し歯を多く削る必要があります。

特に神経のある歯の場合は、歯を多く削ることでのダメージが大きくなってしまうため注意が必要です。

自費の白い歯

最後に自費の白い被せ物についてご紹介します。

自費の白い被せ物は色々な種類がありますが、大きく分けてセラミックとジルコニアの2種類に分けられます。

セラミックは透明感がありながら強度を兼ね備えており、ご自身の歯に非常に近い色調を再現することができます。前歯など、目立つところに使う場合や見た目を重視される方には最適です。

ジルコニアは非常に硬い素材です。セラミックと比較すると透明感や色調が劣りますが、歯ぎしりのある方や、噛む力の強い方が奥歯に使用する場合におすすめです。

ジルコニアのフレームにセラミックを重ねた、強度と審美性を兼ね備えた被せ物もあります。

どの被せ物が最適かは、患者さんのかみ合わせや周りの歯の状態などによって異なります。気になる方は、歯科医院で相談してみましょう!

まとめ

CADCAM冠が保険適応されたことで、被せ物の選択肢が増えました。白い被せ物は患者さんのニーズが高く、希望される方も多いです。

しかしCADCAM冠は奥歯に使うには強度が問題となることも多く、割れて再治療が必要になるリスクもあります。また、強度を出すために歯を多く削る必要があるため神経のある歯へのダメージが大きいこともあります。

歯は再治療をするたびに歯を削ることとなり、再治療を繰り返すたびに寿命が短くなります。

歯の健康は全身の健康につながります。

セラミックやジルコニアといった自費治療の被せ物の利点は見た目の綺麗さだけでなく、強度などの機能性もとても大切なメリットです。

ぜひクリニックでご自身の歯に最適な被せ物について相談してみましょう!