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2023.2.13 歯の根が割れた!原因は?治療法は?
皆さん、ご自身の歯の本数をご存じですか? 親知らずを除いて、すべての歯がある方は28本の歯があります。 しかし、80歳の一人当たりの平均の歯の本数は約17本しかありせん。昔に比べて高齢者の残存歯数は年々増えていますが、それでも80歳までに10本近い歯が失われることになります。 では、歯を失う原因TOP3は何でしょうか? 一位は歯周病、二位はむし歯、そして三位は実は歯の破折です。 歯の破折は、実はとても怖い病気です。特に歯の根が折れる歯根破折は治療が難しく、抜歯が必要になることも少なくありません。 今回は歯根破折の原因や予防法についてお伝えします! 目次 ・歯根破折ってなんで起こるの? ‐歯根破折の起きやすい歯 ‐歯根破折の症状 ‐歯根破折の起きやすい人 ・歯根破折の治療方法 ‐割れた場所が歯ぐきの上のほうだった場合 ‐割れた場所が歯ぐきの下までに達していた場合 ・歯根破折の予防方法 ・まとめ

歯根破折ってなんで起こるの?

歯根破折の起きやすい歯

歯は人間の体の中で最も硬い組織です。日々の噛む力に耐えて、生涯働けるように強い力が加わってもそう簡単には割れません。 しかし、神経の治療である根管治療をした後の歯は歯根破折のリスクが非常に高くなってしまいます! むし歯が大きくなり、歯の神経まで達すると神経が細菌に感染してしまいます。一度感染した神経は元に戻ることはないため、神経を取り代わりの材料で埋める根管治療が必要となります。 むし歯だけでなく、歯をぶつけた衝撃で神経が死んでしまう場合もあります。この場合も根管治療が必要です。 根管治療をした歯は治療のため削られ、残った歯が少なくなり薄くなっています。そのため神経がある歯に比べて、割れたりひびが入りやすくなってしまいます。 特に何度も根管治療を繰り返した歯は、そのたびに歯が削られているため割れやすくなり歯根破折のリスクが高くなります。 また神経の治療をした歯で金属の土台(メタルコア)が入っている歯は、歯よりも土台のほうが固いため土台が楔となり、より割れるリスクが高くなります。

歯根破折の症状

根管治療している歯は被せものが入っていることが多く、歯の表面が見えません。 このため、歯根破折の初期はお口の中で見てもわからないことがほとんどです。 以下のような症状がきっかけで気が付く場合が多いです。 ・噛んだ時の違和感や痛み ・歯ぐきの腫れ ・歯ぐきから膿が出る ・被せ物が取れる ・歯がぐらぐらしている

歯根破折の起きやすい人

歯に大きな力が加わったときに歯根破折は起こりやすいです。 このため噛む力が強い人や、噛み合わせが悪く特定の歯に強い力がかかりやすい方は歯根破折のリスクが高いと言えます。 また、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は要注意です。寝ているときの歯ぎしりや食いしばりは、非常に強い力が歯にかかります。これにより歯根破折が起きる可能性があります。

歯根破折の治療方法

割れた場所が歯ぐきの下の浅い位置だった場合

歯が割れた破折線が比較的歯ぐきに近い浅い位置であった場合、歯の状態によっては抜かずに保存できる可能性があります。 この場合は残った歯を引っ張って歯ぐきの上に出すエクストルージョンと呼ばれる処置や、歯ぐきの位置を下げるクラウンレングスニングと呼ばれる処置が行われることが多いです。

割れた場所が歯ぐきの下のほうだった場合

破折線が根の深いところまで達してしまっている場合は治療が困難です。破折線が感染源となり、腫れや痛みなどの症状が一度が落ち着いても繰り返してしまうことが多いため、基本的には抜歯となってしまうことがほとんどです。

歯根破折の予防方法

1番は歯の神経を取らないことが大切です! 神経の治療が必要となる原因の多くが、むし歯の進行によるものです。特に一度治療した歯が再度むし歯になった場合、詰め物の下のむし歯は見つかりにくく、気が付いた時には神経まで達してしまうことが多くなります。 もちろんむし歯を作らないことが第一ですが、もしむし歯ができても初期に見つけ適切な処置をしたらそれ以上の進行を食い止めることができます。 定期健診でお口の状態をチェックし、むし歯の早期発見早期治療に結び付けましょう! また、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は睡眠時にマウスピースを使うことが効果的です。寝ているときに無意識化で行われる歯ぎしりや食いしばりは、ご自身の体重の5~10倍の力がかかると言われています。それだけ強い力がかかると、歯が割れるリスクが非常に高くなってしまいます。マウスピースを使うことで、歯を保護し割れるリスクを軽減させることができます。

まとめ

歯根破折は治療が非常に難しく、抜歯が必要となることが多い怖い病気です。 予防のためには、むし歯を作らないこと・むし歯の早期発見早期治療が重要です。 初期むし歯は自覚症状がなく、気が付かないことが多いです。 歯の神経の大切さをぜひ知っていただき、定期健診でお口の健康を維持しましょう! またすでに神経の治療をしている歯がある場合は、歯が割れにくい土台に変えたり、寝ているときにマウスピースを使うことなども効果的です。 ぜひ歯科医院でご相談ください!