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2023.3.28 歯の根元が欠けている!くさび状欠損って何?

歯のくさび状欠損という言葉を聞いたことがありますか?

くさび状欠損とは、歯と歯茎の境目の部分の歯がくさびのようにえぐられた形にへこんだ欠損のことを言います。

自覚症状がない場合は気が付いていない方も多いですが、結構多い歯の病気の一つです。

今回はくさび状欠損とは何なのか。症状や治療法についてご紹介します。

目次

・くさび状欠損とは。症状

・くさび状欠損の原因

 ‐強すぎるブラッシング

 ‐くいしばりや歯ぎしり

 ‐悪い噛み合わせ

・くさび状欠損の治療法

・まとめ

くさび状欠損とは。症状

くさび状欠損は歯と歯茎の境目の部分の歯に、くさびのような形に欠損が生じた状態です。

歯が欠けたように見えるため、むし歯だと思って歯科医院に来院される方もいらっしゃいますが、くさび状欠損はむし歯ではありません。

むし歯はお口の中の細菌が糖を原料に酸を出し、その酸が歯を溶かすことで生じます。一方でくさび状欠損は、歯が酸で溶かされてできた欠損ではなく歯に加わる力が原因で生じるため、むし歯とは原因や予防方法が異なります。

症状はない方も多く、ご自身は気が付いていない方も多くいらっしゃいます。

歯の外側はエナメル質と呼ばれる固い組織で守られており、その内側に象牙質という柔らかい組織があります。くさび状欠損になると表面のエナメル質が削れ、口の中に象牙質が露出するため歯が染みる知覚過敏の症状が出やすくなります。

くさび状欠損の原因

くさび状欠損の原因は、いくつかの要因が考えられます。

強すぎるブラッシング

くさび状欠損の原因の一つは、歯みがきの時の強すぎるブラッシング圧です。

歯磨きの時の適正なブラッシング圧は100~200gと言われており、歯ブラシの毛先が広がらない程度の力です。それ以上の力で磨いていると、歯が削れてくさび状欠損の原因となります。

特に研磨剤入りの歯みがき粉を使って強くゴシゴシ磨いていると、少しずつ歯の表面が削れてしまい、歯が摩耗してくさび状の欠損が生じやすくなります。

歯の頭の部分はエナメル質で覆われていますが、歯の根の部分はエナメル質の保護がなく象牙質と呼ばれる柔らかい組織が表面に露出しています。通常歯の根の部分は歯ぐきの中に隠れていますが、歯ぐきが下がり歯の根がお口の中に露出した場合、強いブラッシングにより象牙質が少しずつ削れてしまうのです。

歯を磨くときに歯ブラシの毛先が広がって磨いていたり、歯ブラシの毛先がすぐに広がってしまう方は、磨く力が強すぎるためブラッシングの力に気を付けましょう。

くいしばりや歯ぎしり

人間の噛む力は一般的に自分の体重程度と言われています。しかし寝ている間などの無意識の状態での歯ぎしりは数百キロ、場合によっては1トン近い力が歯にかかると言われています。日常的に歯ぎしりの癖がある方は、歯に大きな負担がかかりそのひずみがくさび状欠損の原因となります。

悪い噛み合わせ

かみ合わせが悪く、一部の歯に常に噛む力が加わる方は全部の歯でバランス良く噛んでいる方と比べて特定の歯にかかる力が大きくなります。

このため、力がかかっている歯にくさび状欠損が生じやすくなります。

くさび状欠損の予防方法

くさび状欠損の予防のためには、まずは毎日のブラッシングの見直しが大切です。

歯ブラシの毛先がすぐに広がってしまう方は、ブラッシングの力が強すぎるかもしれません。硬い歯ブラシが好きな方も要注意です。

歯の着色が気になり研磨剤入りの歯磨きを使う場合は、使いすぎると歯が削れる原因になるため1週間に1~2回の使用にし、ブラッシング時の力に注意して磨きましょう。

また歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、まず日中の食事以外の時間は意識して歯と歯を離すように心がけましょう。夜間のくいしばりや歯ぎしりはなかなか予防することは難しいですが、歯のダメージを減らすためにマウスピースを使うのも方法の一つです。

くさび状欠損の治療方法

軽度のくさび状欠損で、特に症状がない場合は治療せずに経過観察となることも多いです。

くさび状欠損で多い症状は、冷たいものがしみるという知覚過敏の症状です。冷たいものを食べたり飲んだりするとキーンとしみたり、寒い時期だと外で呼吸するだけでしみることもあります。

このような場合は、くさび状欠損の部分をコンジットレジンと呼ばれるプラスチックの材料で埋める治療が行われます。コンポジットレジンは通常むし歯治療で使う材料ですが、むし歯治療ではむし歯を取りきるために歯を削ってから詰めるのに対し、くさび状欠損はむし歯ではないので基本的には歯を削らずに欠損部分だけを埋めることが可能です。

ただし、くさび状欠損の欠損が浅かったり、小さい場合はコンポジットレジンで埋めても外れやすい場合があります。

まとめ

くさび状欠損の歯がある患者さんは多いですが、症状がなく気がついていない方も多くいらっしゃいます。ですが、進行していくと知覚過敏症状が強くなり食事のたびにつらく感じる方も少なくありません。

くさび状欠損は自然治癒することはありません。

まずは鏡でご自分の歯の状態を確認してみて、気になる所があったら歯科医院で相談してみましょう。