歯科治療には保険診療と自費診療があります。
保険診療では、治療の流れや使える材料など細かく決められています。
しかし、お口の中の状態は人それぞれ異なっており、保険診療で決められた治療では理想的な治療を行うことが難しいことも少なくありません。
もちろん入れ歯についても同様です。自費診療のものは高額になりますが、保険診療の入れ歯と何が違うのか気になりますよね。
今回は代表的な入れ歯の種類と、そのメリットデメリットについてお伝えします！
目次
◯保険診療の入れ歯
◆メリット
◆デメリット
◯金属床義歯
◆メリット
◆デメリット
◯ノンクラスプ義歯
◆メリット
◆デメリット
◯シリコン義歯
◆メリット
◆デメリット
◯インプラント義歯
◆メリット
◆デメリット
◯まとめ
◯保険診療の入れ歯
◆メリット
保険診療の入れ歯の最大のメリットは費用を抑えられることです。
3割負担の方で、総入れ歯の場合は15000円程度、部分入れ歯の場合は残っている歯の本数によって5000～15,000円程度です。
◆デメリット
保険の入れ歯は、使える材料や入れ歯の形が細かく決まっています。
歯の部分も土台の部分もプラスチックを使うため、厚みがあり違和感を感じやすいです。熱が伝わりにくいため、食事が美味しくなく感じるという方もいらっしゃいます。
また素材がプラスチックのため、使っているうちに劣化して変形したり噛む面がすり減ったりしてきます。入れ歯が変形することで、残っている歯に負担がかかりやすくもなります。
部分入れ歯の場合残っている歯に金属のバネをかけるのですが、保険の入れ歯ではバネの種類や位置などが制限されています。そのため、理想的な形の入れ歯を作ることは難しいこともあります。
◯金属床義歯
金属床義歯は、その名の通り入れ歯の土台の部分に金属を使った入れ歯です。
◆メリット
金属は強度があり薄く作ることができるため、違和感が少なくなります。熱が伝わりやすくプラスチックの入れ歯よりも食事が美味しく感じるという方も多いです。
また部分入れ歯の場合は、金属の入れ歯は丈夫で変形しにくいためバネがかかっている歯への負担が小さくなります。
◆デメリット
金属床義歯は、土台の部分の一部が金属の入れ歯です。そのため、お口を開けたときに金属が見えることが気になる場合もあります。
またプラスチックの入れ歯と比べて壊れたり、歯ぐきがやせたりしたときに修理がしにくくなります。
◯ノンクラスプ義歯
ノンクラスプ義歯は、土台に特別な弾性のある素材を使い、残っている歯にかけるバネに金属を使わない入れ歯です。
◆メリット
ノンクラスプ義歯の最大のメリットは見た目が良いことです。
部分入れ歯の場合、金属のバネが見えることを嫌う患者さんは多いです。ノンクラスプ義歯はバネに金属を使わないため、目立ちにくく審美性に優れます。
また、保険適応のプラスチックに比べて土台の部分が薄いため違和感も小さくなります。
◆デメリット
ノンクラスプ義歯はバネの部分が弾性のあるプラスチックでできています。そのため、長く使っているうちにバネの部分が変形して入れ歯が緩くなる場合があります。金属のバネの場合は調整が容易ですが、ノンクラスプ義歯のバネは調整が難しいです。
また残っている歯が抜けてしまったり、歯ぐきがやせた場合の修理や調整がしにくいこともデメリットです。
◯シリコン義歯
シリコン義歯は、入れ歯の裏の歯茎にあたる部分に柔らかいシリコンが貼ってある入れ歯です。
◆メリット
シリコン義歯のメリットは、痛みを感じにくいことと安定しやすいことです。
歯ぐきが薄かったり、顎の骨がやせてとがっている方は入れ歯の痛みが感じやすいです。
特に下の入れ歯は顎の骨が薄いと動きやすく、痛みが出やすいためそのような方にはお勧めの入れ歯です。
◆デメリット
シリコン義歯はプラスチックや金属の入れ歯よりも汚れが付きやすくなります。
このため、専用の洗浄剤などを使って清潔に保つことが大切です。
また、長く使っているうちにシリコンがはがれてきて修理が必要となることがあります。
◯インプラント義歯
インプラント義歯は、入れ歯の下の歯ぐきに土台となるインプラントを使った入れ歯です。
◆メリット
インプラント義歯のメリットは、何よりもその安定性とよく噛めることです。
通常入れ歯は、歯ぐきの上に乗っているため、噛むたびに沈んだり動いたりします。
しかし、インプラント義歯はその動きが最小限に抑えられます。また、インプラントは骨に埋まっているため入れ歯が硬い骨で支えられていることから固いものでもよく噛めるのです。
◆デメリット
インプラント義歯のデメリットは、インプラントを入れる手術が必要なため入れ歯ができるまでに時間と費用が掛かることです。また、全身状態によってはインプラントを入れる手術が難しいこともあります。
◯まとめ
入れ歯には、様々な種類があり金額も様々です。
入れ歯はすぐ外れる、痛くて噛めない、というイメージのあるかたも多いと思います。しかし、しっかりと合う入れ歯は痛みなく、よく噛めるものなのです。
合わないプラスチックの入れ歯を使い続けることで、お口の中の状態がどんどん悪くなっている方も少なくありません。
よく噛んで食事を美味しく食べられることは全身の健康にもとても大切です。
お口に合ったよく噛める入れ歯を作ることは、健康への投資です。
最適な入れ歯は、お口の中の状態によって異なります。
是非歯科医院でご相談ください！