歯ぎしりは、
日本人の3人に2人は
経験したことがあると言われています。
歯ぎしりをしていることに
自覚のある方もいれば、
そうでない方も多くいらっしゃいます。
歯ぎしりを続けていると、
歯が過剰にすり減るだけでなく、
歯が割れたり、歯周病が悪化したりする
原因になりますので、
できることなら歯ぎしりは
予防したいところです。
今回は、歯ぎしりの原因と
予防法についてご紹介します。
この記事を読むと、
歯ぎしりの原因や予防法、
そして歯ぎしりの種類も
お分かりいただけると思います。
目次
◯歯ぎしりについて
◆歯ぎしりとは
◆歯ぎしりの種類
◯歯ぎしりの原因
◆ストレス
◆パソコン作業
◆過度な集中
◆癖
◯歯ぎしりの予防法
◆マウスピース
◆ストレスの解消
◆作業環境や作業方法の改善
◆歯ぎしりの気づき
◯まとめ
◯歯ぎしりについて
まず、歯ぎしりについて解説します。
◆歯ぎしりとは
意識することはないのですが、
実は上下の歯は普段は触れ合っていません。
上顎と下顎の歯の間には
5mmほどの隙間があります。
上下の歯が触れ合うのは、
食事など限られた時間だけで、
全部合わせても1日のうち数分とも
言われています。
歯ぎしりとは、
上下の歯を触れ合わせ、
隙間をなくした状態を指します。
◆歯ぎしりの種類
歯ぎしりというと
歯をギリギリと鳴らすことを
イメージされがちですが、
それだけではありません。
◆歯ぎしり(グラインディング)
一般的に歯ぎしりとして
イメージされるのが、
この歯ぎしり(グラインディング)です。
歯の噛み合わせ面が
すり減る原因となる歯ぎしりです。
上下の歯を強く噛み合わせ、
横方向にこすり合わせるので、
ギリギリという音がでます。
◆食いしばり(クレンチング)
上下の歯を強い力で
噛み合わせる歯ぎしりです。
歯を横に擦り合わせるグラインディングと異なり、
クレンチングは音が出ないので、
気が付かない方も多いです。
◆タッピング
タッピングは、
上顎と下顎の歯を
軽く触れ合わせる歯ぎしりです。
例えていうなら、
寒いときに歯がガタガタと
なったような状態でしょうか。
歯ぎしりの原因
歯ぎしりの原因についてお話しします。
◆ストレス
歯ぎしりの原因として
多いのが、ストレスです。
ストレスを受け続けると、
咬筋というお口を
閉める筋肉の働きが増します。
このため、ストレスを受けると、
お口が閉まり、歯と歯が接触し、
歯ぎしりを起こします。
◆ストレスを受けると歯ぎしりする理由
ストレスを受けると
どうして歯ぎしりをしてしまうのか、
その理由については諸説あります。
その中で、人類の歴史が
関係しているという説
についてご説明します。
人類の歴史は、
飢餓との戦いと言っても
過言ではありません。
食料が豊富になり、
飢餓から解放されたのは、
科学の発展によるもので、
それもここ100年くらいの話です。
人類は誕生して以来、
ずっと飢餓に悩まされていました。
お口を開け閉めする咀嚼筋は、
食べないとほとんど使いません。
せっかく食べ物にありつけたとき、
筋力が下がって食べられない
ということではとても困ります。
そこで、食べられない間、
歯ぎしりをして咀嚼筋の筋力を
保っていたのではないか、
食べられない=ストレスなので、
その名残としてストレスを受けると
歯ぎしりをするのではという説です。
◆パソコン作業
近年、増えているのが、
パソコン作業による歯ぎしりです。
パソコンで作業をすると、
目線が下がりやすく、
うつむき加減になります。
うつむくと、
上顎と下顎の歯が近づき、
無意識のうちにお口を
閉じようとする働きが生じます。
この結果、
上下の歯が接触し、
歯ぎしりを起こすと
考えられています。
◆ノートパソコンの影響
パソコンは、
デスクトップパソコンと
ノートパソコン(ラップトップパソコン)
に分けられます。
デスクトップパソコンと
ノートパソコンを比べると、
ディスプレイの位置が
ノートパソコンの方が低いです。
このため、目線はより下がり、
より一層うつむきます。
同じパソコン作業でも
ノートパソコンの方が、
歯ぎしりをしやすくなります。
◆過度な集中
何かに熱中したり、
集中したりしていると、
咬筋の働きがアップする傾向があります。
すると、
歯と歯が接触しやすくなり、
歯ぎしりを起こす可能性が高まります。
◆癖
例えば、歯周病ではグラグラしている歯があり、
それが気になるので噛み合わせている歯で
動いている歯を触っていると、
それが癖になりタッピングのような
歯ぎしりを起こすことがあります。
また、日中のスポーツで食いしばる習慣があると、
やはりそれが癖になってしまうこともあり、
癖も歯ぎしりの原因の一つです。
◯歯ぎしりの予防法
では、歯ぎしりの予防法について解説します。
◆マウスピース
軟らかいプラスチックで
出来たマウスピースを上顎、
もしくは下顎につけて歯を覆う方法です。
上顎と下顎の歯の間に
マウスピースが入るので、
歯と歯を接触できなくなります。
これにより、歯ぎしりを防ぎます。
◆ストレスの解消
ストレスを自覚しているなら、
ストレスの解消も歯ぎしり予防のポイントです。
ストレス解消には、
生活習慣の見直し、
運動不足の解消、
アロマ、ストレッチ、マッサージ、
趣味などいろいろな方法があります。
ご自身に合った、
取り組みやすい方法を
選ぶことがポイントです。
◆作業環境や作業方法の改善
コストがかかりますが、
ノートパソコンからデスクトップパソコンに
かえてみるのも歯ぎしり対策のひとつです。
視線が上がり、
うつむきにくくなりますので、
歯と歯の接触が起こりにくくなります。
パソコン作業の間に休憩を挟み、
リラックスすることも大切です。
これは一例ですが、
作業環境や作業方法などを
改善することも歯ぎしり予防に効果的です。
◆歯ぎしりの気づき
歯ぎしり自体に気がついていない場合は、
歯ぎしりに気づくことも大切です。
無意識のうちにしている歯と歯の接触に
気づくことで、
ご自身で歯と歯の接触を
解消するように取り組んで
いただくことができます。
日常生活で歯と歯の接触に気づき、
歯と歯を離すようにしてもらい、
これを繰り返すことで歯ぎしりを防ぎます。
◯まとめ
今回は、歯ぎしりの原因と
予防法についてお話ししました。
歯ぎしりは、
一般的にイメージされる
グラインディングに加え、
クレンチング、
タッピングの3タイプに分けられます。
それらの原因としては
①ストレス
②パソコン作業
③過度な集中
④癖
などが挙げられます。
予防法としては、
①マウスピース
②ストレスの解放
③作業環境や作業方法の改善
④歯ぎしりの気づき
などです。
当院は、歯ぎしりに関しての専門知識や経験が豊富な歯科医院です。
歯ぎしりでお悩みの方は、当院でぜひご相談ください。