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2024.5.28 歯科医師のパートナー:歯科技工士ってどんな仕事?

皆さんは「歯科技工士」という仕事を聞いたことがあるでしょうか?

歯科医院に行くと、治療をする歯科医師やお口のクリーニングをする歯科衛生士、治療の補助をする歯科助手と接する機会は多いですが、歯科技工士と会う機会はあまりないためイメージが湧かないという方も多いと思います。


しかし実は歯科技工士は歯科医院にとってはなくてはならない存在!歯科医師が精度の高い治療を行うために欠かせないパートナーなのです。

今回は歯科技工士とはどのような仕事か、についてご紹介します!

目次

◯歯科技工士とは
◯歯科技工士になるには
◯歯科技工士の主な仕事
 ◆金属の詰め物・被せ物の作成
 ◆入れ歯の作成
 ◆コンピューターを使った詰め物・被せ物の作成
◯歯科技工士に大切なこと
◯歯科医師と歯科技工士の関係
◯まとめ

歯科技工士とは

歯科技工士とは、「歯科医療の一端を担う医療技術専門職で、歯科医師の指示書にしたがって、入れ歯、歯の被せ物、歯の詰め物、矯正装置などの作成や加工、修理を行う」とされています。
むし歯になって詰め物や被せ物を歯に入れたことがある方は多いと思います。その場で詰める詰め物もありますが、型どりをして後日に詰め物や被せ物を入れた場合、その多くを作っているのは歯科技工士なのです。
他には入れ歯やマウスピース、取り外し式の矯正器具の作成なども行います。

歯科技工士になるには

高校を卒業後、歯科技工士教育機関に入学し、2年以上学んで必要な知識と技能を習得すると、歯科技工士国家試験の受験資格が得られます。歯科技工士国家試験に合格した者が、厚生労働大臣の指定する登録機関に申請することによって、歯科技工士名簿に登録され、歯科技工士免許が交付されます。

歯科技工士教育機関は全国に53校(平成28年9月現在)あり、二年制・三年制の専門学校や、四年制の大学、二年制の短大があります。

歯科技工士の主な仕事

金属の詰め物・被せ物の作成

歯科技工士の主な仕事の一つが、むし歯などの治療の後につける金属の詰め物や被せ物の作成です。皆さんのお口にも入っているという方は多いのではないでしょうか。

歯科医院で型どりをして、石膏で作った模型を使いワックスで型を作ります。このワックスの型を使って溶かした金属を流し込んで詰め物・被せ物を作るのです。

お口の中は非常に繊細で少しのずれで歯に合わなかったり、違和感の原因になるため精密なテクニックが要求されます。

入れ歯の作成

入れ歯の作成も歯科技工士の大きな仕事の一つです。実は入れ歯は作る歯科医師・歯科技工士によって同じ患者さんでも大きく形や大きさが異なります。
歯のない柔らかく動く粘膜を型どりして作るため、型どりの仕方や作った模型の上にどのような入れ歯を作るかで全く別のものが出来上がります。
このため入れ歯の作成は歯科医師と歯科技工士の連携がとても大切で、繊細な作業となるのです。

コンピューターを使った詰め物・被せ物の作成

近年、歯科の業界でもデジタル化の波が押し寄せており、歯科医院でも様々なデジタルの機械を活用する場面が増えてきました。

歯の型を取る際に、従来のような粘土を使うのではなく3Dスキャナーを使う機会も増えてきています。このため、歯科技工士もコンピューターで詰め物や被せ物の設計をすることが多くなりました。

3Dスキャナーのデータをもとにコンピューターで設計し、歯科用の3Dプリンターのような機械を使って詰め物・被せ物を作ります。今後はこのようなデジタル化がますます進むと考えられています。

歯科技工士に大切なこと

歯科技工士の仕事は、0.1ミリ以下の細かい調整が要求されるとても繊細な仕事です。このため、細かい仕事を根気よく丁寧に行うことが大切です。

また前歯の目立つ被せ物の場合、色や形によってイメージが大きく異なり患者さんの要求も厳しい場合が多いです。このため色彩感覚や美的感覚もとても大切です。

歯科の世界もデジタル化の流れでどんどん新しい機械や技術が導入されています。これについていくために、常に学ぶ姿勢も欠かせません。

歯科医師と歯科技工士の関係

実は詰め物・被せ物や入れ歯を作ることは歯科医師も行うことができますし、実際に自分で作っている先生もいます。

しかし、診療の時間を考えるとすべての患者さんのものを作ることは現実的に難しく、歯科技工士にお願いしていることがほとんどであることが現状です。

精度が高く患者さんの満足のいく治療を行うためには、歯科医師と歯科技工士がコミュニケーションを取り治療にあたることが大切です。

歯科医師と歯科技工士は大切なパートナーなのです。

まとめ

歯科技工士が患者さんに直接会うことはあまりないかもしれません。しかし、難しい入れ歯や被せ物を作る場合は歯科技工士がクリニックで直接患者さんのお口をみながら歯科医師と相談する場合もあります。

クオリティの高い歯科治療のためには、歯科医師だけでなく歯科技工士や歯科衛生士、歯科助手など様々な職種の連携が大切なのです。
歯科医院にいらしたときには、是非様々なスタッフにお声がけくださいね!