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2024.4.27 2次カリエスとは?銀歯もむし歯になるの?

むし歯の治療をしてかぶせ物になったら「これでもうむし歯になる心配はない」と思いませんか?
実は、むし歯をなおしてもまたその歯がむし歯になるんです!
むし歯をかぶせ物や詰め物でなおした後に、その隙間からむし歯になることを「2次カリエス」といいます。
なぜ2次カリエスになってしまうのか、その原因、対処法、予防法についてお話します。

目次

◯なおしたところがまたむし歯になる「2次カリエス」とは?
 ◆なおしてもまたむし歯になるワケ
◯2次カリエスの原因
 ◆むし歯になりやすい食生活
 ◆フッ化物配合の歯みがき粉を使っていない
 ◆むし歯をなおした部分に隙間がある
◯2次カリエスになったらどうするの?対処法は?
 ◆様子を見る
 ◆補修修復をする
 ◆以前の修復物をすべて外してやり直す
 ◆抜歯する
◯2次カリエスにならないためには
 ◆むし歯になりやすい食生活を改める
 ◆フッ化物配合の歯みがき粉を使う
 ◆高度なむし歯治療を受ける
 ◆歯医者で定期健診を受ける
◯まとめ

なおしたところがまたむし歯になる「2次カリエス」とは?

2次カリエスとは、過去にむし歯になって治療した歯が治療した部位との境目から再びむし歯になることです。
「カリエス」とはむし歯のことです。一度治療をしているのにまたむし歯になるから「2次カリエス」と言います。

なおしてもまたむし歯になるワケ

むし歯で歯に穴が開いたとき、感染してやわらかくなった歯を削り、そこを金属やプラスチックやセラミックなどの人工物で置き換えます。
歯は、むし歯菌が出す酸によって溶かされて穴が開き、むし歯になりますが、人工物はむし歯菌が出す酸によって溶かされません。

つまり、人工物に沿ってむし歯が進行します。その歯は一度削られているため、残された歯質は薄く、むし歯が神経まで達しやすいという特徴があります。
さらに、以前の治療ですでに歯の神経を抜いている場合は痛みを感じないため、気付いた時には思った以上に深くむし歯が進行し、抜歯しないといけなくなることもあります。

2次カリエスの原因とは

2次カリエスの主な原因は「以前にむし歯になった原因が改善されていないから」であることが多いです。
むし歯になってもなおせばいいやと思っていませんか?
実は歯をなおしてもむし歯になる原因が直っていなければ、また同じ部位がむし歯になるだけなのです。具体的にはどのような原因があるでしょうか。

むし歯になりやすい食生活

砂糖を摂る回数が多かったり、だらだら食べている、というような食生活は、2次カリエスだけでなくむし歯になりやすい習慣になります。
むし歯になったあとにこの習慣に気づいて改善することができていないと、またむし歯ができます。

フッ化物配合の歯みがき粉を使っていない

むし歯予防に大切なのは、フッ化物(通称:フッ素)配合の歯みがき粉を使うことと糖を制限することです。
有効濃度のフッ化物配合歯みがきを使っていないことは、2次カリエスのリスクが上がります。

むし歯をなおした部分に隙間がある

型取りしてかぶせ物や詰め物を作った場合、それを接着剤でとめますが、その接着剤は劣化などにより流れ出ることがあります。
また、型取りしたものなどの歪みにより、完璧な精度の被せ物や詰め物を作るには限界があります。
また、金属やセラミックは削れずに歯だけが削れることで隙間ができることがあります。

型取りをせずに直接接着する材料を使っても、接着操作の不完全さや劣化により、すごく小さな隙間ができます。

そのような隙間に汚れがたまり、そこにさらに糖が供給されると2次カリエスになります。

2次カリエスになったらどうするの?対処法は?

では、2次カリエスになったらどのようにしたらよいでしょうか。

様子を見る

2次カリエスが見つかった場合、もう一度治療をしようとすると歯のダメージが大きく、メリットがデメリットを上回る場合があります。
そのような場合は、むし歯が進行しないように経過を追いながら様子をみることがあります。

ただし、一度なおした部位の下にできるむし歯は直視が難しく、レントゲンにも映らない場合があるので、慎重な経過観察が必要です。

補修修復をする

一度なおした修復物の隙間のむし歯を取り、その部分だけ補修するように修復する方法です。
歯のダメージは小さいですが、残された修復物の下のむし歯が残る場合があったり、補修した部分と元の材料との接着がうまくいくかという問題があります。

以前の修復物をすべて外してやり直す

過去になおした材料を全て取り切り、むし歯をとったり、必要があれば神経も取ったりして治療します。
もう一度やり直すので、しっかり治療することができますが、歯のダメージは大きくなります。

抜歯する

かぶせ物の下からむし歯になっていたり、歯を支える根っこの方まで深くむし歯が進んでしまった場合は抜歯になります。

2次カリエスにならないためには

では、二次カリエスにならないためにはどのようにしたらよいでしょう。

むし歯になりやすい食生活を改める

むし歯を予防するために大切なのが「糖の制限」です。
ついつい間食に甘いものを食べてしまうかもしれませんが、芋やせんべいなど甘くないものに変えたり、シュガーレスのものに変えたり、ダラダラ食べないよう時間を決めて間食をとることが大切です。

フッ化物配合の歯みがき粉を使う

大人の場合はフッ素濃度が1450ppmの歯みがき粉を1日2回、2cm使い、2分以上みがいてから15ml以下の水で1度だけゆすぐことが大切です。
必要があれば歯医者で高濃度フッ化物を塗ってもらいましょう。

高度なむし歯治療を受ける

歯医者によっては、精度の高い材料や器具を用いて治療を行っています。
精度の高い治療を受けることができれば、口の中を清潔に保ちやすく、2次カリエスになるリスクが低くなる可能性があります。

歯医者で定期健診を受ける

どんなに歯みがきを丁寧に行っても磨き残しはあるものです。
ある程度自分で汚れを摂ることも大切ですが、一番大切なのは汚れを全て取り切ることではなく、口の中の状態を管理することです。

特に2次カリエスは自分では見つけにくい場所にできます。初期のむし歯であれば、適切な管理により進行を防ぎます。
定期的に歯医者に行き、むし歯の早期発見につなげるとともに、みがき残しの確認をしたり、自分で取れない部分の汚れを取ってもらうことが大切です。

まとめ

一度むし歯になった歯はむし歯を再発しやすい!
過去にむし歯になった歯はまたむし歯になる可能性を残しています。再発する度にむし歯治療を繰り返していると、歯の寿命を縮めます。

むし歯治療を終えたあとも油断せず、毎日丁寧に歯みがきを行い、定期的に歯医者で検診を受けることで、2次カリエスを予防しましょう。