妊娠すると産科の検診、
また里帰りで出産するのかどうするのかなど、
色々とお忙しくなるかと思います。
ところで、母子手帳に歯科検診のページが
あることをご存知ですか?
女性は妊娠すると女性ホルモンのバランスが変化します。
その影響により、
お口の中も変化し赤ちゃんに悪い影響を
及ぼすこともあります。
妊娠中のお口の状態が赤ちゃんにとって、
とても大切であると注目されているので、
説明していきたいと思います。
目次
○妊娠によるお口の変化とは
◆唾液が酸性に傾きやすくなる
◆つわりで間食の回数が増える
◆つわりで歯磨きが億劫になってしまう
◆歯周病になりやすくなる
○赤ちゃんへの悪影響
◆歯周病
◆虫歯
○妊娠中の受診について
◆安定期(16~27週)
◆後期(28~36週)
○妊娠中のセルフケア
◆つわり時期
◆安定期
○まとめ
○妊娠によるお口の変化
妊娠をすると女性ホルモンのバランスが変化し、
その影響を身体に与えます。
身体だけではなく、
お口の中の状態にも影響を与えていきます。
そのため、
妊娠中はお口の中が変化して歯や歯茎の
トラブルが起きやすくなります。
それにより、悪い影響を赤ちゃんにも与えることがあります。
◆唾液が酸性に傾きやすくなる
お口の中には唾液があります。
唾液は中性に保たれていて、
お口の中の環境を整えてくれます。
しかしホルモンバランスの変化により、
唾液が酸性に傾きやすくなります。
そのため、
唾液がねばねばして
虫歯菌が活動しやすくなり、
虫歯になりやすくなります。
◆つわりで間食の回数が増える
子供の頃に「おやつは時間を決めて食べなさい」と
言われたことがあるかと思いますが、
食べることによりお口の中が酸性に傾きます。
つわりにより間食の回数が増えると
お口の中が酸性になって中性に戻りにくくなります。
結果、虫歯になりやすくなります。
◆つわりで歯磨きが億劫になってしまう
つわりの間は歯磨きをしても、
吐き気を感じ奥まで歯ブラシを
いれられないことがあります。
そうすると、奥まできちんと磨けません。
お口の中に汚れが残ってしまうと、
虫歯はもちろん歯周病のリスクも高くなってしまいます。
◆歯周病になりやすくなる
女性ホルモンのバランスが
変わることにより、
歯周病菌が活動しやすくなってしまいます。
そのため歯周病になりやすくなります。
◯赤ちゃんへの悪影響
◆歯周病による早産
歯周病の妊婦さんは、
早産や低体重児出産などのリスクが
高くなることが報告されています。
妊娠中は女性ホルモン増加の影響で、
通常よりも歯ぐきに炎症が起こりやすいです。
そのため、
妊娠性歯周炎という妊娠時における
歯周病を引き起こすリスクが高まります。
妊娠中でも歯石の除去やクリーニングはできます。
そういった処置をすることによって、
早産や低体重児出産のリスクは下がります。
妊婦さんの歯周病に関しては、
妊娠前の定期検診での予防はもちろんのこと、
早期発見、早期治療が大切です。
◆虫歯
母体の虫歯が多いと、
母子感染によって乳幼児へ
虫歯菌が移ってしまうことがあります。
そのため、
母親に虫歯が多いと子供は早くから
虫歯になる可能性が高いと言われています。
常にお口の中を清潔にし、
赤ちゃんが生まれる前、
マイナス1歳の時期から
歯の健康に気を付けることが大切です。
◯妊娠中の時期受診について
妊娠中は虫歯や歯周病のリスクが高まります。
初期ももちろんですが、
特に安定期と後期にそれぞれ歯科検診を
受診されることをお勧めします。
◆安定期(16~27週)
この時期の歯科検診で
歯周病や虫歯が見つかったとしても、
一般的な治療を行うことができます。
◆後期(28~36週)
この時期の歯科検診では、
出産前の最終チェックになります。
そして出産後の体力低下や生活リズムの変化に
備えての予防処置、必要があるようなら
応急的な治療を行っていきます。
◯妊娠中のセルフケア
◆つわりの時期
歯磨きは食後というイメージが
あると思いますが、
つわりの時期は食後など気にせず、
体調のよい時間に歯磨きを行いましょう。
この時期は奥に歯ブラシが入ると
気持ち悪くなりやすいので、
ヘッドの小さいハブラシを使用しましょう。
歯磨きの時は気持ち悪くなりにくいように、
下の方を向きうつむくようにして前かがみの体勢で
行いましょう。
歯ブラシを舌に当てたりすると
気持ち悪くなりやすいのであてないように
気を付けましょう。
歯ブラシは小刻みに動かして
磨くようにしましょう。
歯磨き粉に関して、香料や味の強いものは
気持ち悪くなりやすいので避けるようにしましょう。
気持ちが悪くて歯磨きができない時にはムリをせず、
デンタルリンスや水でぶくぶくとうがいをしましょう。
その時は水分を全体に行き渡らせるようにしてしっかりうがいするようにしましょう。
◆安定期
この頃になると歯ブラシをして
気持ちが悪くなることは減ってきます。
そのため、しっかりと磨くようにしましょう。
歯ブラシは力をいれてごしごし磨く必要はありません。
歯ブラシの毛先が広がらないくらいの150gという
優しい力でもしっかり汚れはとれます。
また大きく歯ブラシを動かすと
細かいところまで毛先が入らず意外と磨けません。
優しい力で小刻みに動かして磨きましょう。
また歯の噛むところだけではなく、
歯と歯茎の境目までが歯です。
きわまでしっかりと歯ブラシをあてて磨くことが大切です。
◯まとめ
お口の中の環境が赤ちゃんにも
大きな影響を及ぼします。
そのため、妊娠前からの歯周病の予防や治療は
元気な赤ちゃんのためにも大切です。
不安に感じた方は1度受診することをおすすめします。