入れ歯のお手入れについて、
広く知られるようになったと思いますが、
まだ知らない方も多いように思います。
今回は入れ歯の日常的な清掃と
プロフェッショナルケアの重要性について書かせて頂きます。
是非参考にして下さい。
目次
◯入れ歯の種類
◯入れ歯の必要性
◆咀しゃく機能の回復
◆発音機能の回復
◆審美性の回復
◯ホームケア(日常的な清掃)
◆入れ歯の清掃の必要性
◆入れ歯のお手入れ方法
◯プロフェッショナルケア
◆定期検診
◯まとめ
◯入れ歯の種類
入れ歯とは、
歯や歯茎の一部または全部が欠損した場合に、
その部分を補う人工の歯のことです。
入れ歯は、
自分の歯と同じように噛むことができるだけでなく、
見た目や発音や健康にも影響します。
入れ歯の種類は
大きく分けて部分入れ歯と総入れ歯があります。
部分入れ歯とは、
欠損した部分だけを補う入れ歯で、
残っている自分の歯と連結して固定します。
総入れ歯とは、
上あごや下あごの全ての歯が欠損した場合に、
口腔内の粘膜に吸着して固定する入れ歯です。
◯入れ歯の必要性
入れ歯の必要性は、以下のような点にあります。
◆咀しゃく機能の回復
むし歯や歯周病で失った歯の代わりに
食べることをサポートすることです。
噛むことは、
食べ物を消化しやすくするだけでなく、
唾液を分泌させて口腔内を清潔に保ったり、
顎や顔の筋肉を鍛えたりする効果もあります。
噛む力が低下すると、
栄養不足や口腔内の細菌増殖や筋力低下などの
リスクが高まります。
入れ歯は、
咀しゃく機能を改善し、
オーラル・フレイル(口腔機能低下による全身の衰え)を
予防する役割があります。
◆発音機能の回復
言葉をはっきり発音しやすくすることです。
入れ歯は、
発音機能を回復し、
コミュニケーション能力や自己表現力を
高める役割があります。
◆審美性の回復
見た目を美しくすることです。
歯が欠損すると、
笑顔や表情が損なわれたり、
老けて見られたりすることがあります。
また、歯が欠損したまま放置すると、
隣の歯や対向する歯が動いて傾いたり伸び出したりして、
かみ合わせが悪くなることもあります。
入れ歯は、審美性を回復し、
笑顔や表情を豊かにする役割があります。
◯ホームケア(日常的な清掃)
◆入れ歯の清掃の必要性
入れ歯の清掃の必要性は、以下のような点にあります。
□口臭の予防
入れ歯には食べかすやプラーク(歯垢)が付着しやすく、
それらが細菌のエサになって口臭を発生させます。
口臭は自分や周りの人に
不快感を与えるだけでなく、
自己評価やコミュニケーションにも影響します。
入れ歯を清掃することで、
口臭の原因となる汚れや細菌を除去し、
口臭を予防する役割があります。
□口腔疾患の予防
入れ歯に付着した汚れや細菌は、
口腔内の粘膜や残っている自分の歯にも
悪影響を及ぼします。
特に部分入れ歯の場合、
金属部分(クラスプ)が
かかっている歯や入れ歯と
接している歯は汚れがたまりやすく、
虫歯や歯周病になるリスクが高まります。
また、入れ歯があたって炎症や潰瘍を起こしたり、
カビが生えたりすることもあります。
入れ歯を清掃することで、
口腔疾患の原因となる汚れや細菌を減らし、
口腔内の健康を保つ役割があります。
□全身疾患の予防
入れ歯に付着した汚れや細菌は、
誤って飲み込んだり吸い込んだりすることで
全身にも影響を与えます。
特にご高齢の方や嚥下(えんげ)機能が
低下した人は注意が必要です。
食べ物や唾液などが誤って気管に入り、
肺に流れ込んだ細菌が繁殖することで
起こる誤嚥性肺炎は重篤な合併症を引き起こすこともあります。
入れ歯を清掃することで、
誤嚥性肺炎の原因となる汚れや細菌を減らし、
全身疾患を予防する役割があります。
□入れ歯の寿命の延長
入れ歯に付着した汚れや細菌は、
入れ歯自体にもダメージを与えます。
プラーク(歯垢)は
色素沈着や歯石化しやすく、
入れ歯の表面を変色させたり傷つけたりします。
また、乾燥や熱によって入れ歯が変形したり
割れたりすることもあります。
入れ歯を清掃することで、
入れ歯の表面を保護し、
変色や変形や破損を防ぎ、
入れ歯の寿命を延ばす役割があります。
◆入れ歯のお手入れ方法
□毎食後のお手入れ
入れ歯の毎食後のお手入れの方法は、以下のように行います。
手順①:洗面器などに水を張る
入れ歯は、
落とすと欠けたり割れたりしやすいものが多いので、
取り扱いには注意しましょう。
お手入れ中の破損を防ぐために、
あらかじめ洗面器やプラスチックの容器などに
水を張った上で行いましょう。
手順②:入れ歯を外して流水下で清掃する
入れ歯専用ブラシか一般の歯ブラシを
使って優しく磨きます。
歯磨き粉は使用しないでください。
歯磨き粉には研磨剤が含まれており、
入れ歯の表面を傷つける可能性があります。
汚れが残りやすい部分(クラスプなど)は
丁寧に磨きましょう。
手順③:入れ歯を水で洗い流して拭く
流水下で汚れや泡を洗い流した後、
柔らかい布やティッシュで水分を拭き取ります。
拭くときは力を入れすぎないように注意しましょう。
手順④:入れ歯を保存容器に入れて保管する
取り外した入れ歯は
乾燥させるとひび割れや変形を起こしてしまうので、
夜間等、保存容器の水の中に浸して保管します。
水は毎日交換します。
必要に応じて入れ歯洗浄剤を使いましょう。
□入れ歯のまわりのお手入れ方法
入れ歯のまわりのお手入れ方法については、以下のようなポイントがあります。
ポイント1
入れ歯を支えている自分の歯や
入れ歯と接している歯肉などの粘膜も
清掃するようにしましょう。
汚れや細菌がたまると、
虫歯や歯周病、
口内炎などのトラブルになりやすくなります。
ポイント2
バネがかかっている歯は
横からブラシを入れて
小さく動かして磨きます。
◯プロフェッショナルケア
入れ歯のプロフェッショナルケアとは、
歯医者で行われる入れ歯の専門的な
お手入れのことです。
入れ歯のプロフェッショナルケアには、
以下のようなメリットがあります。
メリット1
入れ歯の表面に付着した汚れや細菌を除去し、
清潔に保つことができます。
これにより、口臭や口内炎などの予防にもなります。
メリット2
入れ歯のフィット感や噛み合わせをチェックし、
必要に応じて調整や修理を行うことができます。
これにより、
入れ歯の快適さや機能性を
維持することができます。
メリット3
入れ歯の寿命を延ばすことができます。
入れ歯は定期的にメンテナンスを
しないと劣化や変形が進み、
早く交換する必要が出てきます。
メリット4
入れ歯のケア方法や使用方法について、
専門家からアドバイスを受けることができます。
自宅でのセルフケアも効果的に行うことができます。
◆定期検診
入れ歯のプロフェッショナルケアは、
一般的には3ヶ月から半年に
一度受けることが推奨されていますが、
個人差や入れ歯の種類によって異なります。
歯医者で相談して、自分に合った頻度を決めましょう。
◯まとめ
入れ歯の日常的な清掃と
プロフェッショナルケアは、
入れ歯の健康だけでなく、
口腔全体の健康や生活の質にも大きく影響します。
入れ歯を長く使えるよう、しっかり行うようにしましょう。