logo

blogブログ

2023.12.20 歯周病の早期発見へ!

こんにちは!

一般的に歯医者さんが患者さんの口腔内を見て遭遇することが多い歯周病といえば歯肉炎と歯周炎ですが、その鑑別は歯周組織破壊の有無によって区別されます。

歯肉の周りの組織である歯周組織の破壊がなければ歯肉炎、あれば歯周炎と診断されます。

では、実際にどのような歯周病があるか、そして対処方法についてみていきましょう。

目次 

  1. 歯周病とは?
  2. 歯周病の鑑別診斷
  3. 実際の症状
  4. 歯周病の治療方法
  5. まとめ

1. 歯周病とは?

まず、歯周病について理解しましょう。

歯周病は、いわゆる歯肉周辺の腫れや出血でその異常に気付くことが多いものです。また、慢性疾患の一つであるため、糖尿病や高血圧のように治療や経過が長期に及んでしまいます。

そしてこれは厳密に定義すると、細菌因子、宿主因子、環境因子の3つが複雑に影響し合って進行する病気といわれています。

細菌因子には歯周病原性細菌、バイオフィルムなどが含まれます。

宿主因子には、歯石、食片圧入、不適合な修復物、口呼吸、歯列不正、口腔内の形態異常の他、年齢、性別、全身疾患、遺伝的因子、人種などがあります。

環境因子には、喫煙、ストレス、肥満、栄養障害、薬物などがあげられます。

2. 歯周病の鑑別診断

次に歯周病の鑑別診斷についてです。鑑別診斷とは、かかっている病気を診断するにあたり、可能性がある複数の病気を比較しながら、合理的に特定することを指します。歯科医院で行う歯周病の鑑別診断には次のようなものがあげられます。

  1. 歯槽骨吸収の有無エックス線写真で観察、骨の触診、歯の動揺度から推測されます。
  1. 上皮付着の喪失(アタッチメントロス):骨と歯肉の付着の具合であるアタッチメントレベルを測定することにより、歯肉付着の喪失 (アタッチメントロス) がわかります。
  1. 歯周ポケット底の位置:歯と歯肉の間の溝である歯周ポケットについて、歯周ポケット底の位置により失われた歯周組織を測定します。

3. 実際の症状

歯周病について理解ができたら、実際の症状についてみていきます。

歯周病は、歯とその周囲の組織である歯肉、歯槽骨、歯根膜、セメント質からなる歯周組織の慢性的な感染症です。初期の歯周病は一般的に無症状であり、進行するとさまざまな症状が現れることがあります。

以下では、歯周病の初期症状と一般的な治療法について詳しく説明します。

歯周病の初期症状は、以下のようなものがあります。

1. 歯肉の腫れと赤み

歯周病が進行すると、歯肉が腫れ上がり、炎症が起こることがあります。歯肉は普段よりも赤く腫れて見えることがあります。

2. 歯肉の出血

歯磨きや歯ブラシでの刺激によって、歯肉から出血することがあります。歯磨き後や食事中に歯ブラシやフロスに血がつく場合は、歯周病の初期症状である可能性があります。

3. 口臭

歯周病によって歯肉が炎症を起こすと、口臭が発生することがあります。これは、歯周病原菌と呼ばれる、歯周病を引き起こす細菌が増殖し、口の中の状態が悪化するためです。

4. 歯肉の退縮

歯周病の進行によって、歯肉がさがり、歯根が露出することがあります。これにより、歯が長く見えることや歯のしみる感覚が生じることがあります。

4. 治療法

歯周病の治療方法は、以下のようなものがあります。

1. 口腔清掃の改善

歯周病の初期段階では、適切な口腔清掃習慣の確立が重要です。歯磨きやフロスを適切に行い、歯周ポケットにたまった細菌やプラークを除去することが必要です。

2. スケーリングとルートプレーニング

スケーリングとルートプレーニングは歯周病の進行を抑えるための一番主要な治療法です。歯科医師や歯科衛生士が専用の手用器具や超音波器具を使用して、歯根表面から歯周ポケット内の歯石やバイオフィルム(プラーク)を除去します。これにより、歯周ポケットの深さを減らし、感染の原因となる細菌の増殖を抑えます。その中でもルートプレーニングとは、歯周病の進行を止め、感染を制御するための特徴的な治療のひとつです。歯科医師や歯科衛生士がスケーラーと呼ばれる専用器具を使用して、歯根表面から歯周ポケット内の歯石やバイオフィルム(プラーク)を除去します。また、歯根表面を平滑にすることで、バイオフィルムの付着を防ぎ、歯周組織の再生を促進します。

3. 抗生物質の使用

歯周病の進行が進んでいる場合や感染が深刻な場合には、歯科医師が抗生物質を処方することがあります。抗生物質は、感染を抑え、炎症を軽減する効果があります。ただし、抗生物質は一時的な解決策であり、根本的な解決には、口腔衛生の改善やルートプレーニングと併用することが重要です。

4. 歯周外科手術

歯周病が進行している場合や重度のケースでは、歯周外科手術が必要となることがあります。手術の目的は、歯周ポケットの深さを減らし、歯肉や骨組織の再生を促すことです。具体的な手術方法としては、歯周組織の再形成や骨移植、歯槽骨再生手術などがあります。

5. 定期的なメンテナンス

歯周病の治療後は、定期的なメンテナンスが重要です。歯科医師や歯科衛生士との定期的なチェックやフォローアップ、クリーニングにより、歯周病の再発を予防し、口腔の健康を維持することができます。定期的なメンテナンスには、先ほども挙げたスケーリングなどのプロフェッショナルなクリーニングや歯の表面を滑沢にするポリッシング、必要に応じて追加のルートプレーニングなどが含まれる場合があります。

6. 生活習慣の改善

歯周病の治療においては、生活習慣の改善も重要です。タバコの喫煙や過度のストレス、不健康な食生活などは歯周病の進行を促進する要因となります。禁煙やバランスの取れた食事、ストレスの管理など、健康的な生活習慣の維持が歯周病の予防や治療の一環として重要です。

7. 患者教育と予防ケア

歯周病の治療においては、患者教育と予防ケアもとても重要です。歯科医師や歯科衛生士は、適切な歯磨きやフロスの方法、口腔衛生用具の使い方、口腔健康を維持するための日常的なケアなどについて患者に指導します。予防ケアの一環として、定期的な歯科検診やクリーニングを受けることも推奨されます。

5. まとめ

歯周病の治療は個人の症状や疾患の進行度に応じて異なる場合があります。歯科医師との相談を通じて、最適な治療方法やケアプランを確立しましょう。また、早期の治療と定期的な歯科検診をお勧めします。