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2023.12.14 マイナ保険とはなに?

今回のテーマは、マイナンバーカードの保険証利用についてです。

患者さんはマイナンバーカードを保険証として利用でき、
医療機関はオンラインで患者さんの資格を
即時に確認出来るようになりました。

医療機関にてトラブルなく医療を受けるためにも、
まだよくこの仕組みをご存じない方、
利用したことが無い方は、
是非仕組みを理解していただき、
マイナ保険証利用の準備を始めて
おくべきではないでしょうか。

目次

◯マイナンバーカードによるオンライン資格確認とは?

◯患者さんから見たオンライン資格確認を導入することの有効性 

◯医院側から見た有効性

◯他国の保険システムとの比較

◯まとめ

マイナンバーカードによるオンライン資格確認とは?


マイナンバーカードを保険証として医療機関で利用できる制度が始まりました。令和5年4月より厚生労働省によって、全国の保険医療機関と薬局等にシステム導入が義務付けられています。ただし、マイナカードの発行が任意であるため、患者さん側がマイナカードの提示を強制されてはおりません。しかし、令和6年秋を目途に、保険証自体が廃止される予定とのことです。ですから基本的に、マイナンバーカードは早めに発行して持っておくのが安心でしょう。


病院や薬局の受付では、資格確認用端末で顔認証、もしくは暗証番号を入力することで保険資格を証明できるようになります。病院のスタッフに暗証番号などを教える必要はありません。ただし、事前にスマートフォンなどで、マイナカードを保険証として利用できるように利用登録しておく必要があります。市で発行される子供医療証明書や訪問診療などは2023年時点では未対応ですが、順次対応していくようです。

◯患者さんからみたオンライン資格確認を導入することの有効性

◆診察券やお薬手帳、保険証として利用できる

高齢者の中には、同時に複数通院されている方々が数多くいます。例えば、お薬手帳を忘れれば他院での治療において、投薬情報が曖昧なまま進行してしまう恐れもあります。保険証を忘れれば、高額な治療の場合であっても、当日は自費で負担を求められる場合がほとんどです。また、沢山の診察券をホルダーのようなものに収納してカバンに持ち歩いている方もおりいらっしゃいますが、お子様などを含めた家族全員分、そしてお薬手帳なども含めるとかなりの荷物になります。これからは、こうしたストレスからは解放される方向に向かうでしょう。

◆限度額適用認定証などを持ち歩く必要が無くなる

限度額適用認定証は、事前に保険者に申請して発行してもらう手間がありました。また、保険証を常にお財布に携帯していても、うっかり限度額適用認定証などをお忘れになる場合が少なくありませんでした。するとその月は適用されず満額支払う必要があるなどの受付・会計トラブルが残ったままでした。こうしたストレスや会計時の不都合も減る見込みとなるでしょう。

◆特定健診情報を医者に確認してもらえる

検査や治療、投薬などの重複などが無くなり、医療の質向上に繋がるでしょう。

◯医院側における有効性

◆受付の処理能力向上

病院の窓口では、全員の医療情報確認のため、定期的に診察券のほか、保険証や医療証などを全て提出していただかなくてはならないのが現状です。特に患者数が多い病院の場合、これらの提出物管理と処理がスタッフを多忙化させる課題の一つとなっています。(現状では、マイナ保険証の誤登録問題が頻発しているため、結局保険証を提示していただかないと確認出来ない、等のデメリットも残っています。しかし、)受付作業が基本的に患者さん側で半自動的に完結できるようになれば、将来的にスタッフの負担は大きく減る可能性があります。

◆レセプト返戻数の減少

「レセプト」「返戻数」が一般的な言葉ではないため、題名を読んだ際、何が書いてあるのかが分かりづらいかと思います。

下の文章にもこれらの単語が入っていないので、レセプトとは何か、なぜ返戻がするのか等、詳しい記載があると読者の方はわかりやすいと思います。

毎月病院では、受付時の個人の保険資格の確認漏れや、診療情報記入の訂正などで、事務書類の処理に追われています。規模や種類によっては事務や看護のスタッフばかりではなく、ドクター自ら処理しなければならない場合もあります。オンライン資格確認によって患者さんのリアルタイムな保険資格にアクセスできるため、訂正が容易になり、人的ミスをカバーする作業の負担も減らすことが期待できるのです。

◯他国の保険システムとの比較

日本で急激に進むマイナンバーカードのシステムについて、世界における立ち位置はどうなのでしょうか。

調べたところによると、個人番号を確認できるICチップ付きの身分証を健康保険証として利用できる国は、日本が初めてとなるようです。他国では例えば、米国の社会保障番号や、フランスの電子健康保険証などが挙げられます。しかしながら、カード1枚と暗証番号でその人の行政サービスの利用状況や保険資格などを一括・オンラインで管理する仕組みは、プライバシーの観点などにより、未だ普及はなされていないようです。つまり世界に先駆けた試みでもあり、初期導入に問題が生じるのは致し方ないとの見方も出来るでしょう。

◯まとめ

・マイナ保険証によるオンライン資格確認が義務化されます。

・患者さんにとっては、医療受診時の待ち時間短縮や、利便性のほか、治療及びサービス向上が期待できます。

・医院側にとっては、受付及び事務作業およびトラブルの減少や患者さんへの提供サービス向上が期待できます。

・海外のG7の中では初の試みとなるため、導入数年以内は細かな問題が残る懸念はあります。