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2023.6.20 妊娠したら歯科検診を必ず受けましょう!!!

妊娠すると妊婦検診の助成券が自治体から配られますよね。

それと一緒に歯科検診の案内も入ってくることが多いと思います。

日頃から、定期的に歯科検診を受けていらっしゃる方も多いと思いますが、歯が痛くなった時だけ歯医者に行くという方もまだまだ少なくありません。

実は妊娠中の女性が歯科検診を受けて、お口の健康を保つことは生まれてくる赤ちゃんのためにも非常に大切なことなのです。

今回は妊娠中に歯科検診を受けることの重要性、妊娠中の歯科治療で注意すべきことについてお伝えします。

目次

◯なぜ妊娠中の歯科検診が大切なのか

 ◆悪阻で食生活が乱れたり、歯みがきができなくなる

 ◆ホルモンの変化で歯肉炎になりやすくなる

 ◆歯周病が早産・低体重児を引き起こす原因に

 ◆産後は歯科受診が難しくなる

◯妊娠中の歯科受診に適した時期

 ◆悪阻が落ち着いてから

 ◆安定期に入ってから、妊娠後期までが望ましい

◯妊娠中の歯科治療で気になること

 ◆レントゲン

 ◆麻酔や薬の使用

◯まとめ

◯なぜ妊娠中の歯科検診が大切なのか

◆悪阻で食生活が乱れたり、歯みがきができなくなる

悪阻は個人差がありますが、普段と味覚が変わったり1回で食事がとれないため少しずつちょこちょこ食べが必要になる方も少なくありません。

普段は甘い飲み物を好まない方も、水やお茶を飲めずジュースを頻繁に飲むようになったり、食べ悪阻の方は常に飴をなめていないと気分が悪くなったりすることもあります。

するとお口の中は非常にむし歯ができやすい環境になってしまいます。

特に悪阻が長引いた方は注意が必要です。

また、悪阻の間は歯磨きでも気持ち悪くなってしまうため歯磨きも十分にできないこともあります。

これまでむし歯ができたことがない、という方でも妊娠を機にむし歯がたくさんできてしまったという方もいらっしゃるので、しっかりと検診を受けることが必要です。

◆ホルモンの変化で歯肉炎になりやすくなる

妊娠中はホルモンバランスが変化します。

女性ホルモンの増加によって妊娠性歯肉炎になりやすく、歯ぐきが腫れたり出血しやすくなります。

悪阻により歯磨きが難しくなると、ますます歯肉炎が悪化してしまうのです。

◆歯周病が早産・低体重児を引き起こす原因に

歯周病で歯肉の炎症が強くなると、プロスタグランディンE2(PGE2)という物質が増えることが知られています。プロスタグランディンE2(PGE2)は陣痛促進剤としても使われている物質です。歯周病の炎症が広がることで、この物質が毛細血管を通じて血管に入り、全身をめぐります。これが子宮に達すると子宮が刺激を受け、予定日より前に子宮が収縮することで、早産や低出生体重児が生まれる原因になると言われています。

◆産後は歯科受診が難しくなる

妊娠中の歯科治療は不安だから、産後落ち着いてから歯科医院に行こうと考える方もいらっしゃいます。

最近は保育士がいて、治療中赤ちゃんのお預かりをしてくれる歯科医院も増えてきているので、産後でも治療に通えそうですよね。

でも、赤ちゃんのお世話は思ったより大変です。そして産後は体調を崩されるママも少なくありません。時間があっても歯科医院に行くより、ゆっくり休みたい・・・となると歯科にかかるのはどんどん遅くなってしまいますよね。その間にむし歯はどんどん進行してしまいます。妊娠中にできる治療は是非妊娠中に行いましょう!

◯妊娠中の歯科受診に適した時期

◆悪阻が落ち着いてから

悪阻の程度や時期は個人差が大きいですが早ければ妊娠5週頃から、妊娠8~11週頃にピークを迎え妊娠16週頃に落ち着いてくることが多いと言われています。

悪阻の時期は何もしなくても気分が悪かったり、水を飲むこともできなくなったりする方もいらっしゃいます。

この時期の歯科治療は難しいため、悪阻が落ち着いてから受診しましょう。

◆安定期に入ってから、妊娠後期までが望ましい

歯科治療は妊娠5か月~7か月ころの安定期に受けることが望ましいです。

妊娠初期は悪阻がひどかったり、薬などの影響を赤ちゃんが受けやすい時期です。

また、妊娠後期になってくるとお腹が大きくなって仰向けで横になるのが難しくなったり、歯科治療が母体の負担になりやすくなります。

妊娠初期や後期の歯科治療は応急処置程度にとどめて、安定期に治療を行うことをお勧めします。

◯妊娠中の歯科治療で気になること

◆レントゲン

歯科治療の際には、歯の状態を確認するためレントゲン撮影が必要な場合があります。

1回の歯科用レントゲンでの被ばく量は極めて少なく、照射部位も腹部から離れているため、胎児への影響は心配ありません。

また、防護エプロンを使って腹部をガードするため妊娠中の方でも安心して受けていただけます。

◆麻酔や薬の使用

歯科治療の時に使う麻酔は局所麻酔であり、通常の量の使用であれば胎児に影響はないとされています。

薬の使用には注意が必要です。痛み止めなどは妊娠中でも使用可能なものがありますので、症状に応じて妊娠中でも使用可能な薬を処方します。

◯まとめ

妊娠すると歯がボロボロになると昔は言われていました。

妊娠中はホルモンバランスの変化で歯周病になりやすかったり、悪阻で歯磨きができなかったり。産後は忙しくて自分のことに目を向ける余裕がなかったり、といったことが原因でお口の環境が悪くなりやすくなります。

しかし、両親のお口の健康はお子さんのお口の健康のためにもとても大切なことです。

妊娠中はどうしても歯科治療も制限されます。是非日頃から定期健診を受診し、健康なお口を保ちましょう!