logo

blogブログ

2024.3.21 妊娠中の歯の痛みは危険信号!早期受診の重要性

今まで気にしなかった体の不調でも、妊娠した途端に赤ちゃんに影響が出ないか不安になることもあると思います。

その中でも歯医者でよく質問があるのが、「妊娠中でも歯科治療が受けられるのか」「麻酔や薬が使えるのか」などになります!

妊娠中に歯が痛くなっても赤ちゃんに影響がでないのか、痛みが出ないようにするためにどのようなことに気を付けたらいいか知りたいですよね!

今回は、妊娠中の歯の痛みと対応についてご紹介します!

目次

◯妊娠中のお口の変化
 ◆ホルモンバランスの変化
 ◆つわりの出現
 ◆胃が圧迫される

◯妊娠中に歯科治療をする場合の注意点
 ◆治療できる期間
 ◆治療中の体勢
 ◆使用できる薬

◯妊娠中に歯が痛くならないようにするには
 ◆早期受診
 ◆妊娠前からの定期健診

◯まとめ

◯妊娠中のお口の変化

妊娠中はホルモンバランスの変化や食生活の変化により、これまで口のトラブルがなかった方でも口の中の環境が悪くなり、むし歯や歯周病になりやすいといわれています。

さらに、歯周病があると歯周病による炎症が全身に広がり、早産や低体重児出産のリスクが高まることがわかっています。

お腹の赤ちゃんのためにも口の中を清潔にしておきたいものです。それぞれの対策についてお話します。

◆ホルモンバランスの変化

妊娠により女性ホルモンが急激に増加することで歯周病の細菌が増殖しやすくなります。また、唾液の粘り気が高まるため、汚れが洗い流されづらくなります。口の中の自浄作用が弱まり、口の中が不衛生になると歯肉の炎症や出血が起こりやすくなります。

同じように、今まで問題がなかったとしても親知らずの周辺の歯肉が炎症を起こす場合もあります。

歯肉の炎症については、口の中を清潔に保つことが重要です。早めに歯科を受診しましょう。

◆つわりの出現

妊娠期に体調不良になる「つわり」によって、酸っぱいものや甘いものを好んだりと食事の内容が変わったり、うまくみがけずに不衛生になりやすくなります。また、食べものを口に入れていないと気持ち悪くなる「食べづわり」の人は、頻繁に間食を摂るのでむし歯のリスクが上がります。

また、気持ちが悪くて歯ブラシを口の奥まで入れられず、セルフケアができなくなる方も多いです。これらが重なることでむし歯や歯周病ができやすくなります。

食事や間食の回数が増すので、できるだけ気分のよい時にヘッドの小さな歯ブラシや歯間ブラシを用いて歯みがきを行い、みがけない時はぶくぶくうがいをしましょう。

また、食事内容も見直し、頻繁に口にするものはむし歯になりやすい糖分の多い飲食物を避けるようにしましょう。

◆胃が圧迫される

妊娠後期になり、胎児が発育してくると胃が子宮に圧迫され、食事を少しずつしか食べられなくなります。そうすると食事の回数が増えるので、むし歯のリスクが高まります。

三食の食事以外はお菓子や甘いものを間食として食べてしまうことも多いと思いますが、間食もおにぎりや果物等にし、糖分の多いものは避けるようにしましょう。

◯妊娠中に歯科治療をする場合の注意点

妊娠中に歯が痛くなってしまった場合、治療できるか、赤ちゃんに影響がでないかどうか心配になると思います。歯科治療を受ける際にはどんなことに注意したらよいかをお話していきます。

◆治療できる期間

基本的には、妊娠後いつでも歯科治療は受けられます。 しかし、長時間仰向きの体勢で治療を受けるには、つわりのある妊娠初期やおなかの大きくなった妊娠後期には負担が大きくなります。

比較的体調の安定した妊娠中期(妊娠5-7か月)に必要な歯科治療を済ませられるのがよいでしょう。

歯周病やむし歯は病状によっては治療が長期間に渡る場合があります。一度で済むとは思わずに、早めに治療が開始できるようにしましょう。

◆治療中の体勢

妊娠後期はおなかが大きくなるので、仰向きの姿勢がつらい場合があります。

また、子宮が大きな静脈を圧迫し、低血圧となり気分が悪くなることがあります。

背中にクッションを入れたり、左側を少し下にして仰向けになるなど楽な体制で治療を受けるとよいでしょう。

◆使用できる薬

歯科治療で使われる麻酔は局所麻酔であり、局所で作用するため妊娠中でも麻酔を使って歯科治療を受けることが出来ます。

また、抗生剤や痛み止めも妊娠中に使えるものがありますので、痛みを我慢せず薬を使うことができます。

妊娠中に歯が痛くならないようにするには

妊娠中の歯科治療は不安になる点もあると思います。
では、妊娠中に歯が痛くならないようにするにはどのようなことに気をつけたらよいでしょうか。

その答えは早期受診と妊娠前からの定期検診です。

◆早期受診

妊娠中は体調もすぐれず、なかなか歯医者に行きづらいかもしれませんが、歯がおかしいなと思う前に早めの受診が大切です。
妊娠したらまず気になるところはなくても歯を診てもらってもいいかもしれません。薬が飲めなくても進行を遅らせる処置をすることができますし、治療可能な期間も最大限取ることができます。

◆妊娠前からの定期検診

妊娠してから歯医者に通うことも大切なことですが、もっと大切なことは妊娠を考えている場合、定期的に歯の検診を受けておくことが大切です。

歯科治療には長期間かかることもあり、安定期の間だけで治療が終わらないことも多いです。
さらに、出産後も赤ちゃんとの生活では治療のための時間を思うように確保できないかもしれません。
妊娠前から歯医者に通い、お口の中の環境を整えておきましょう。

◯まとめ

妊娠中に歯が痛んで不安になることもあるかもしれません。妊娠中はお口の中の環境が悪くなりやすいです。

妊娠初期にはつわりで治療を落ち着いて受けることが難しく、妊娠後期も胎児が大きくなっているため治療は身体に負担がかかります。妊娠初期と後期は応急処置程度でとどめておくのが望ましいです。

また、産後も忙しく赤ちゃん中心の生活になるので、なかなか歯医者に行く時間も取れなくなります。歯の治療の中には期間がかかるものもあります。妊娠を考えている方は、妊娠時や出産後に歯科治療を受けなくてすむように事前に歯医者を受診し、定期健診や治療を済ませておくようにしましょう。

むし歯や歯周病を予防するためには、口の中を清潔に保つことが大切です。自分にあったセルフケアの指導を受け、日々の習慣を身につけましょう。