2023.1.14
乳歯から永久歯への生え代わり時期は、歯のケアにご注意!!
こんにちは
ヒトの歯は、生涯に一度だけ歯が生え代わります。
乳歯から永久歯への生え代わりです。
永久歯に生え代わったらその後、新しい歯が生えてくることはありません。
このため、永久歯を守っていくことがとても大切になります。
特に気をつけてほしいのが、生えて間もない時期の永久歯です。
今回は、乳歯から永久歯への生え代わりと、その時期の歯のケアのポイントなどについてご説明します。
乳歯から永久歯への生え代わりの順序
まず、乳歯から永久歯への生え代わりの順序について解説します。
個人差があり、人によって多少前後することがありますが、心配ありません。
永久歯の生える順序
①下顎の第一大臼歯(6歳臼歯)が生えます。
②上顎の第一大臼歯が生えます。
③下顎の前歯が生え代わります。
④上顎の前歯が生え代わります。
(ここまでの順番はほとんど変わりありません。)
⑤第一小臼歯(前から4番目の歯)が生え代わります。
⑥犬歯が生え変わります。
⑦第二小臼歯(前から5番目の歯)が生え代わります。
(第一小臼歯から第二小臼歯が生えてくる順番は個人差があり、異なるパターンも多いです。)
⑧第二大臼歯(第一大臼歯の後ろの歯)が生えてきます。
永久歯が生えるおおよその年齢
第一大臼歯が生える時期:6歳ごろ
上顎と下顎の前歯が生え代わる時期:7~9歳ごろ
犬歯から第二小臼歯までが生え代わる時期:9~11歳ごろ
第二大臼歯が生える時期:12~14歳ごろ
乳歯が抜け始めてから完全に乳歯が永久歯に置き換わるまで、6~7年ほどかかることがわかります。
永久歯が生えてくるまでの期間
乳歯が抜けてから永久歯が生えてくるまでの期間は、おおむね3ヶ月ですが、人によっては6ヶ月以上かかることもあります。
生え代わったばかりの永久歯の特性
乳歯から生え代わったばかりの永久歯の特性についてご説明します。
歯肉炎を起こしやすい
生えてきたばかりの歯は、一部が歯肉に覆われていたり、噛み合わせのラインに届いていなかったりするので、歯磨きがしにくい傾向があります。
歯ブラシが届かない歯を覆っている歯肉の裏側などでプラークがたまることが原因で、歯肉が腫れて歯肉炎を起こすことがあります。
虫歯になりやすい
虫歯は、ストレプトコッカス・ミュータンスなどの虫歯菌が作り出した酸が歯を溶かすことで生じる病気です。
生えたばかりの永久歯は、生えていても実はまだ成長途上です。
歯そのものも、虫歯菌の作り出す酸に弱く、溶かされやすいです。
このため、とても虫歯になりやすい傾向があります。
これが2~3年ほど続くので、生えてから2~3年は虫歯になりやすい要注意時期とも言えます。
生え代わりの時期の歯のケア
永久歯への生え代わり時期の歯のケアについてご説明します。
仕上げ歯磨き
歯磨きは、虫歯や歯周病予防の基本です。
永久歯が生え始めた頃は、歯肉が部分的に歯を覆っているので、歯肉の裏など磨きにくいところがどうしても生じてしまいます。
また、大きさの違う乳歯と永久歯が混ざった状態になっているので、段差ができていたり、隙間があったりして、磨くのが難しくなっています。
このため、理想論でお話しすると、乳歯がなくなる12歳前後まで仕上げ歯磨きをしたほうがいいです。
フッ素の利用
フッ素の虫歯予防効果の高さはご存知かと思います。
歯は、生えて間がない頃は、フッ素の取り込み効率がとても高い傾向があります。
親知らずを除くと、最も遅く生えてくる第二大臼歯が生えて、虫歯になりやすい時期である2~3年経つまでの間は、年2回以上歯科医院でフッ素を塗ってもらうといいでしょう。
また、日常の歯磨きの時に、フッ素入り歯磨き剤を使って歯を磨いたり、定期的にご自宅でフッ素の洗口をするのも虫歯予防にとても効果的です。
ぜひ、フッ素を使って虫歯を予防してください。
生え代わりの時期の注意点
乳歯から永久歯への生え代わり時期の注意点についてご説明します。
永久歯が横から出てきた
乳歯が抜けないうちに、永久歯が横から生えてくることがあります。
そのままにしていると、歯の位置がずれて歯並びが悪くなってしまう可能性があるので、歯科医院で診てもらってください。
乳歯が抜けない
適切な年齢になっても乳歯がなかなか抜けない、反対の歯は生え変わったのにまだ生え変わらないといった場合、先天欠如という永久歯がない状態の可能性があります。
これは第二小臼歯にしばしばみられますが、永久歯がない場合は、乳歯に永久歯の代わりになってもらわなくてはなりません。
レントゲン写真を撮影すれば、永久歯があるかないかははっきりわかるので、歯科医院でご相談ください。
クセに注意
歯並びを悪くする原因はいろいろありますが、多いのがクセです。
舌を前に出すクセ、指を吸うクセ、唇を噛むクセ、口呼吸をするクセなどさまざまなクセが歯並びを悪くすることが明らかになっています。
生え代わりの大切な時期に、お子さんにこうしたクセがあることに気がついたら、早めに歯科医院で相談することをおすすめします。
乳歯の虫歯も放置しない
乳歯は永久歯に生え代わりますから、いずれは抜けて無くなってしまいます。
だからと言って、乳歯の虫歯を放置するのは良くないです。
なぜなら、乳歯の下には永久歯が成長を続けているからです。
乳歯の虫歯が悪化し、根の先に膿がためるようになると、永久歯の成長が妨げられ、永久歯がきちんと成長できなくなる可能性があります。
抜けてなくなる乳歯ですが、虫歯ができたらきちんと治療しておくようにしてください。
まとめ
今回は、乳歯から永久歯への生え代わりの順序と歯のケアについてお話ししました。
永久歯の歯並びは、第一大臼歯→下顎の前歯→上顎の前歯→前歯と奥歯の間の歯→第二大臼歯という順序で出来上がっていきます。
生えて間がない頃は、歯肉が一部を覆っているため、歯磨きがしにくいです。
乳歯と永久歯が混在している時期は、歯並びの関係から、やはり歯磨きがしにくくなります。
したがって、12歳ごろまでは仕上げ歯磨きを続ける方が良いです。
また、生えて間がない歯は、虫歯になりやすいので、生えてから2~3年間はフッ素を利用して虫歯予防に努めてください。
当院は、子供の歯科治療の専門知識に加え、長年にわたる子どもの歯の診療経験も豊富です。
もし、お子さんの歯の生え代わりや歯磨きなどでよくわからないことや相談したいことがあるという方は、当院でぜひご相談ください。