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2022.9.7 どうやったら受けられる?訪問歯科の大解説!

訪問歯科診療って一体何だろう!

訪問歯科って何するの?
どんな人が受けられる?
うちのおじいちゃん、おばあちゃんも受けられるかしら…
施設に入ってても大丈夫なの?
高齢社会の日本において、歯科医院へ定期的に通院できる方々ばかりではありません。しかし、お口の健康は全身の健康に関わる大事な問題です。
今まで通っていた歯科医院に通えなくなっちゃった…
どうしよう…
そんな方々のために、「訪問歯科」というサービスがあります。
本日は、その「訪問歯科」について詳しく解説します!

目次
1.訪問歯科とは?
2.訪問歯科診療を受けるための条件
3.訪問歯科診療の内容
4.訪問歯科診療の申し込み方法
5.まとめ

「訪問歯科診療」って何?

近年、日本でもお口の健康に対する意識が高まっています。
特にマスク生活では知らず知らずに口呼吸になり、口臭が気になるので歯医者さんへ行ってるよ!という方も増えているのではないでしょうか。
でも…体が不自由だったり、病院に入院中、施設で介護中の方のお口のケアはどうでしょう。
家族や施設のスタッフだけで、しっかりお口の健康を守れているのでしょうか。
そのような場合の強い味方が「訪問歯科診療」です。
在宅診療や往診など、体のことに関してはご存じの方が増えていますが、歯科に関しては、まだまだ周知されていません。
訪問歯科診療とは、歯科医師・歯科衛生士が中心となって個人の住宅や施設、病院に訪問し、主に診療・口腔清掃を行うサービスのことです。
食べる力は、生きる力といっても過言ではありません。
またお口の健康は全身の健康に関わっています。
訪問歯科診療サービスを上手に活用してお口の健康を保つようにしましょう。

「訪問歯科診療」ってだれが受けられる?

では、どんな方がサービスの対象となるのでしょうか。
歯科医院に通うのが面倒!
近くに歯科医院がないのよ!
というような条件では、残念ながら訪問歯科診療を受けることは出来ません。

「患者さん」の条件

保険診療の範囲内で訪問歯科診療を受けられる患者さんの条件は
「病気やケガ、寝たきり状態であって一人では歯科医院への通院が困難な方」
に限られます。
この条件に当てはまる場合には年齢制限は設けていませんが、
・車椅子で一人で通院可能
・他のクリニックや病院へ通院可能
といった方は通院困難との判断にならないため、原則として訪問歯科診療を受けることは出来ません。
ただし、家族や介護スタッフの介護が必要であったり、急遽入院加療が必要になった場合にはその限りではありませんので、迷った場合にはかかりつけの歯科医院、地域の歯科医師会、ケアマネージャー等に相談してみましょう。

「場所」の条件

訪問歯科診療が受けられる場所は、
「訪問歯科診療を受ける患者さん自身が寝泊まりしている場所」
に限られます。
患者さんの自宅や入居している老人ホーム、高齢者住宅、入院している病院などが訪問歯科診療の対象場所となります。
デイサービスやデイケアなど、一時的な通所を行っている施設では対象となりません。また、歯科外来が併設されている病院、診療所なども対象から外れてしまいますので注意しましょう。

「保険診療」の条件

原則として、前述した患者さん・場所の条件が保険診療での訪問歯科診療を受けることが出来る条件となります。
加えて、
「歯科医院から受診場所までが半径16キロ以内であること」
が保険診療を受ける条件となります。
つまり、半径16キロ以上離れた場所にある歯科医院の訪問歯科診療を受けたい!と患者さんが希望した場合には、保険診療適応外となりますので注意が必要です。
ただし、16キロ以内に近くに訪問歯科診療を行っている歯科医院がない、かかりつけの訪問歯科診療を行っている歯科医師が不在、特殊な治療を受けており、代替の治療を行える歯科医院がない、などの場合には保険診療適応となる場合もありますので、行政や歯科医院に相談することをお勧めします。

一般的な訪問歯科診療でかかる一部負担金

▶後期高齢者(75歳以上、65歳以上で障害認定を受けている方)
定率1割負担、現役並所得の方は3割負担

▶前期高齢者(65歳以上74歳以下)
2割ないし3割負担

▶障害者、生活保護
各市町村の減免に準ずる

▶一般の方
通常の医療保険と同様の自己負担

▶介護認定を受けている方
介護保険の適応
※ただし、回数制限あり。
歯科医師による訪問歯科診療:月2回まで
歯科衛生士による訪問歯科診療:月4改回まで

「訪問歯科診療」ってどんなことが出来る?

どのような治療を行うことが出来るのかは大変気になるところですよね。
うちのおじいちゃんの治療は、訪問歯科診療で対応可能なのかしら?
と、わからないことだらけかもしれません。

訪問歯科診療では歯科医師と歯科衛生士、歯科助手などがチームを組み、治療に必要な機材と共に患者さんのもとへ伺います。
歯科医師は、一般的な歯科医院で行うような虫歯治療、抜歯、入れ歯治療、歯周病治療を行うことができます。治療で必要な場合には、レントゲン撮影も可能です。
更に訪問歯科診療では寝たきりや移動が困難な方が対象となるため、体力の低下と共に飲みこむ力も低下している方が多くいらっしゃるのが特徴です。
そのため、一般的な歯科治療に加えて摂食嚥下(せっしょくえんげ)リハビリテーションを行える歯科医師・歯科衛生士がチームを組んでいることも多く、嚥下内視鏡検査やリハビリテーションも行うこともあります。
むせこみやすい、なかなか飲み込めなくなったような気がするといった症状がある場合には相談してみると良いかもしれません。
では、訪問歯科診療に伺う歯科衛生士は何を主に行うかというと、訪問歯科診療に同行している歯科衛生士は、口腔清掃のプロです。
口腔内の状態を健康な時と同じように保つためには、歯科衛生士が行う口腔清掃が大変重要となります。
特に寝たきりの患者さんや持病を抱えている方の清掃指導は、口腔清掃時の姿勢から使用する器具、清掃の順番に至るまで細心の注意を払います。

うちのおじいちゃんは胃ろうで栄養をとっているから口の中は常に清潔です!

いやいや、そんなことはありません。
口から食事を摂っていない場合でも、口腔清掃は非常に重要なのです。
寝たきりや口から食事を摂取しない場合には、唾液の量の低下によってかさぶたのような痂疲(かひ)や痰、細菌の塊(カンジダ菌などのカビ)などが発生します。
そのような状態になった場合、飲み込みも困難になりますし、何よりも誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)のリスクが非常に高くなります。
以上のことから、訪問歯科診療においては歯科治療も大切ですが、歯科衛生士の行う口腔清掃がなによりも大事となります。

「訪問歯科診療」ってどこで申し込める?

今すぐ始めたいけど、どこで申し込めばいいのかしら…
一番大事な部分ですよね。
現在、訪問歯科診療のサービスを提供している歯科医院はかなり増えています。
まずは、近くの歯科医院で訪問歯科診療を行っているかどうかを相談してみましょう。
近くに歯科医院がないよ、という方は施設などのケアマネージャー、市区町村や県の歯科医師会へ問い合わせてみましょう。歯科医師会への連絡方法がわからない場合には、行政にて相談窓口を設けている場合もあります。

まとめ

いかがだったでしょうか。
福祉や介護にかかわる医療は難しいことも多くありますが、基本的な条件や診療内容は以上の通りとなります。
今現在悩んでいる方は、是非相談だけでも行ってみましょう。

・訪問歯科診療は通院困難な場合で、歯科医院から半径16キロ以内の自宅や介護施設、病院であれば年齢制限なくサービスを受けられる。
・一般的な歯科医院で行っている治療と同等の治療を行うことが出来る。
・訪問歯科診療は通常の医療保険と同様の自己負担で受診可能、介護保険も利用できる。