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2023.1.14 歯が溶ける原因は虫歯だけじゃない!!歯を溶かしてしまう酸蝕症とは!?
こんにちは 虫歯になると、歯が溶かされて、穴が開きます。 このため、歯が溶ける=虫歯というイメージがありますが、実は歯が溶ける原因は虫歯だけではありません。 虫歯と並んで、ヒトの歯を溶かしてしまう病気があります。 それが酸蝕症(さんしょくしょう)です。 酸蝕症はなかなか聞きなれない病気だと思いますが、歯科の世界ではしばしば見られる病気です。 今回は、酸蝕症についてお話しします。

酸蝕症について

まず、酸蝕症という病気についてご説明します。

酸蝕症とは

酸蝕症とは、歯の表面を覆っているエナメル質が溶かされる病気です。 お口の中のpHは7前後に保たれていますが、何らかの原因でpH5.5を下回ると歯が溶けやすくなります。 実は、酸蝕症にかかっている人はとても多く、日本人の4人に1人が酸蝕症になっていると言われるほどです。 歯の病気というと虫歯や歯周病がよく知られていますが、酸蝕症はそれらに次いで多いと言ってもいいほどの病気なのです。

酸蝕症の症状

酸蝕症の症状は、虫歯と違って、黒い穴が開くことはありません。 エナメル質から溶けていくのですが、虫歯と異なり、表面全体が均一に溶けるなど、広く溶けていきます。 エナメル質が溶けると、エナメル質の内側の象牙質が溶け始めます。 象牙質が溶ける段階に進むと、象牙質の色が現れやすくなり、歯が全体的に黄色っぽくなります。

酸蝕症の原因

酸蝕症はどうして起こるのでしょうか。 実は意外と身近なものが酸蝕症を引き起こしています。

食べ物

pHの低い食べ物、つまり酸性度の高い食べ物を好む方は、酸蝕症になりやすい傾向があります。 一例を挙げると、レモンやみかんなどの柑橘系の果物です。 梅干しもpHは低いです。 つまり、酸っぱい食べ物は、歯を溶かしやすいのです。 この他、サラダドレッシングも意外とpHは低いものがあります。 こうした食べ物を一日2回以上食べると酸蝕症のリスクが高くなります。

飲み物

食べ物と同じく、pHの低い飲み物を好む習慣があれば、酸蝕症を引き起こします。 身近なところでは、レモンジュースやグレープフルーツジュース、みかんジュースなどの柑橘系の果物から作られたジュース類や炭酸飲料、スポーツドリンクです。 健康志向で飲む方もいらっしゃると思いますが、黒酢などのお酢系の飲み物も歯を溶かします。 アルコール飲料の中にもpHが低いものはあります。 一例を挙げると、ワインや梅酒などです。 このため、ワインのソムリエやテイスターなどのワインを飲酒する機会の多いお仕事の方にも酸蝕症は起こりやすい傾向があります。

病気

ご存知の方も多いと思いますが、胃酸はとてもpHが低いです。 胃酸は胃の中に収まっているものですが、逆流性食道炎や拒食嘔吐を伴う摂食障害などの方は、胃からお口の中に胃酸が出てくることで、歯が溶かされ酸蝕症になります。 また、アルコール依存症も酸蝕症の原因のひとつです。 酸蝕症と全身的な病気は関係なさそうに見えますが、実は全身的な病気も酸蝕症の原因となり得ます。

飲み薬の中にも酸蝕症を引き起こす可能性のあるものがあります。 ビタミンCなどのビタミン剤やアスピリンなどの酸性の薬です。 サプリメントにも酸性度の高いものがあり、これらも酸蝕症を引き起こす原因となり得ます。

ガス

酸性のガスにさらされるような工場で作業している方に、酸蝕症は起こりやすいです。 この場合、作業環境によって酸蝕症が起こることになるので、職業病の一種ということもできます。

酸蝕症の治療法

酸蝕症で失われた歯の部分は、残念ながら自然に回復することはありません。 虫歯の治療と同じく、失われた部分を人工材料で修復する治療が行われます。 失われた部分が小さければ、コンポジットレジンというプラスチック材料での即日治療も可能ですが、大きくなれば金属やセラミックなどを使った被せ物治療で治します。

酸蝕症の予防法

酸蝕症を防ぐには、お口の中のpHが低いままにならないようにすることです。

食後のうがい

pHの低い食べ物や飲み物を食べたり飲んだりした後は、歯のエナメル質が溶かされて軟らかくなっています。 まずはお水でうがいをすることで、お口のpHをあげて酸性から中性に近づけましょう。

食べ方

お口のpHは、唾液の作用で自然に中和されるのですが、pHの低い飲食物をダラダラ時間をかけて食べていると、いつまで経っても中和されません。 pHが低いままになって酸蝕症のリスクが上がります。 ダラダラ食べるのではなく、1日3回の食事と間食1回しか食べないというように、メリハリをつけて食事を摂るようにしましょう。

寝る前は食べない

寝ている間は、唾液の量が減るので、お口の中が中和されにくくなります。 寝る前は、食べたり飲んだりしないようにしましょう。

フッ素を使う

歯から溶け出したミネラル成分は、唾液の働きで歯に戻すことができます。 これを再石灰化作用と言います。 フッ素は虫歯予防でよく知られていますが、歯の再石灰化作用を促進する効果もありますし、しかも、再石灰化するときに歯がフッ素を取り込むことも明らかになっています。 フッ化物の入った歯磨き粉で歯磨きをしたり、定期的に歯科医院でフッ素を塗ってもらったりすることも、効果的な酸蝕症予防法です。

酸蝕症と虫歯の違い

酸蝕症と虫歯の違いは何でしょうか。

原因

酸蝕症と虫歯の最大の違い、それが原因です。 虫歯は、ミュータンス菌などの虫歯の原因菌が作り出す乳酸が歯を溶かすことで生じます。 酸蝕症は、食べ物や飲み物など、細菌以外、つまり生物以外の原因によって歯が溶かされて生じます。 酸蝕症の発症には、細菌などの生き物が全く関係していません。 酸蝕症と虫歯では、原因に細菌が関係しているかどうかに違いがあり、両者は由来が全く異なる病気といえます。

症状

虫歯の症状は、初期段階では痛みなどの自覚症状はありません。 進行するにつれて、冷たいものがしみ、熱いものが痛くなり、というように少しずつ痛みを生じる様になります。 酸蝕症の症状も、初期段階では自覚症状はありません。 しかし、進行すれば、冷たいものがしみるようになります。 このように、症状で比べてみると、酸蝕症と虫歯はとても似ています。

治療法

治療法については、酸蝕症も虫歯も同じです。 すなわち、人工材料を使って、失われた部分を修復する治療になります。 使用する人工材料も酸蝕症のための特別なものがあるわけではなく、虫歯治療で使う歯科材料を使って治療にあたります。

まとめ

今回は、歯を溶かす病気、酸蝕症についてお話ししました。 酸蝕症は ①pHの低い飲食物 ②逆流性食道炎などの病気 ③薬 ④工場など作業現場で発生するガス などが原因で起こる病気です。 虫歯と違って、細菌の関与がないのが特徴ですが、症状や治療法は、虫歯とほぼ同じです。 酸蝕症は、治療しても原因を取り除かなければ、容易に再発してしまう病気なので、虫歯との見極めがとても重要になります。 当院は、虫歯や酸蝕症の専門知識や治療経験の豊富な歯科医院です。 もし、酸蝕症かなと不安を感じた方は、当院にぜひお越しください。