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2024.3.6 口内炎はなぜできるの?

一度できてしまうとつらい口内炎。
しょっぱいものがしみたりしゃべりづらかったり、できれば口内炎はできずに過ごしたい、できても早く治ってほしいと思いますよね。
口内炎で歯医者に行っていいものかと思うかもしれません。今日は口内炎の原因と歯医者でできる治療法についてお話します。

目次


◯口内炎とは
◯口内炎の種類
 ◆アフタ性口内炎
 ◆カタル性口内炎
 ◆ウイルス性口内炎
 ◆カンジダ性口内炎
 ◆アレルギー性口内炎
◯訪問歯科診療でできること
 ◆むし歯治療
 ◆歯周病治療
 ◆入れ歯治療
 ◆お口の機能のリハビリ
 ◆お口のケアなどの指導
◯歯科医院でできる口内炎の治療
 ◆軟膏の処方
 ◆レーザーによる治療
 ◆歯みがきや生活習慣の指導
 ◆口の中の装置の調整
◯まとめ

◯口内炎とは

口の中の粘膜や歯肉に起こる炎症を「口内炎」と言います。
口内炎は、痛みや不快感を伴う炎症で、食べ物や健康状態やお口の中の問題によって引き起こされます。通常は数週間で自然に治癒します。

◯口内炎の種類

口内炎は、粘膜表面の症状で分類したり原因で分類したりと様々な分け方があります。さらに口内炎の症状は時間が経つと変化することがあるため一概には言えませんが、以下のような分類があります。

◆アフタ性口内炎

最も一般的な口内炎はアフタ性口内炎です。私たちがふつう口内炎と呼んでいるのは、ほぼこのタイプと言ってもいいでしょう。

アフタ性口内炎は数mm〜1cm程度の、円形で境界線がはっきりとした白っぽい浅い窪みのある白い潰瘍です。頬の内側や唇の裏側、舌、歯ぐきなどにできます。
食べ物がしみたり、触れたりしたときに痛みを伴いますが、長くて2週間程度で自然に治り、跡も残りません。

アフタ性口内炎の原因は、栄養不足、睡眠不足、ストレスなどによる免疫力の低下があります。免疫力が下がっているときに、口の中のわずかな傷から細菌が感染し、悪化します。

◆アフタ性口内炎の治療

ほとんどのアフタ性口内炎は、お口の中を清潔に保ち生活習慣を整えるだけで自然に治ってしまうことが多いですが、中にはステロイド剤などの治療が必要な場合もあります。

また、アフタ性口内炎の予防と対策は以下の4つの点に注意しましょう。

①歯磨きや歯の矯正装置、入れ歯、タバコなどで粘膜を傷つけないように注意すること
③刺激の強い、酸っぱい、辛い、塩辛い食べ物や飲み物は控えるようにすること
④口の中を清潔に保つため、歯みがきやうがいを丁寧に行うこと
⑤栄養不足、睡眠不足、ストレスなどに注意し、体調を整えること

◆カタル性口内炎

お口の中の粘膜が赤く炎症を起こしたり、ざらざらしたひび割れができたり、白っぽくなるといった症状が現れます。

アフタ性口内炎と違い、炎症をおこしている部分とそうでない部分との境界がはっきりしません。お口の中が荒れ、焼けるように感じたり、食べ物や飲み物がしみて痛みを感じることもあり、口臭が強くなります。通常は1週間ほどで自然に治ります。

カタル性口内炎の主な原因には、入れ歯や矯正器具、噛むことややけどによる傷が挙げられます。

◆カタル性口内炎の治療

傷の原因となる刺激がある場合、それを取り除くようにします。
矯正器具が当たる場合には保護する材料をつけたり、入れ歯やかぶせ物が合わない場合には調整をしたり作り直しをしたりします。
痛みが強い場合には炎症を抑えるためにステロイド剤を使用したりお口の中を清潔に保つことも有効です。

◆ウイルス性口内炎

ウイルス性口内炎は、ウイルスに感染することで起きる口内炎です。ウイルスの種類によって、「ヘルペス性口内炎」「ヘルパンギーナ」「手足口病」に分けられます。
ウイルスに感染した場合、最初に熱が出たり風邪の症状が出現したあと、唇や口の中の粘膜に小さな水ぶくれのような水泡ができます。
また、口の中にできた水疱はやぶれると潰瘍となって痛みがでるため、食事がとれなくなることもあります。

◆ウイルス性口内炎の治療

ウイルスが原因のため、ウイルスと戦った後1週間ほどで自然治癒することが多いです。症状にあわせて抗ウイルス薬を使う場合もあります。
お口の中の潰瘍が痛み、食事を摂れない場合は対処療法として痛み止めを使うこともあります。
ウイルス性口内炎の場合、一般的なアフタ性口内炎の治療と同じステロイド剤を使うと症状を悪化させてしまう可能性もあります。

◆カンジダ性口内炎

カンジダ性口内炎は、お口の中にカンジダ菌というカビが増殖して起こる口内炎です。
お口の粘膜に白い膜ができる「偽膜性カンジダ症」、お口の粘膜が赤くなる「委縮性カンジダ症」、慢性化し粘膜の表面が厚くなる「肥厚性カンジダ症」があります。
もっとも多く見られる偽膜性カンジダ症の白い膜はガーゼなどでこすると簡単に剥がれ、剥がれた後には赤くただれて痛みを感じ、出血を伴うこともあります。
カンジダ菌は常在菌で健康なお口の中にも存在する菌ですが、免疫力の低下や薬などで常在菌のバランスが崩れカンジダ菌が増殖することで発症します。

◆カンジダ性口内炎の治療

真菌(カビ)であるカンジダ菌が原因なので、治療には抗真菌薬が使われます。
また、他の口内炎と同じ様に、歯磨きやうがいを丁寧に行いお口の中を清潔に保ち、栄養不足や睡眠不足に注意し、免疫力を回復させることも大切です。

◆アレルギー性口内炎

食べ物や薬、金属のアレルギー反応が起きることで生じる口内炎のことです。
食べたものや薬が原因で口の中全体的に炎症が起きたり、かぶせ物などの金属に反応して金属の触れる粘膜に炎症が起きたりします。

◆アレルギー性口内炎の治療

原因となる食べ物、薬、金属等を特定し、それを排除します。

◯歯科医院でできる口内炎の治療

歯科医院での口内炎の治療は以下のものがあります。

◆軟膏の処方

口内炎の原因に合わせ、ステロイド薬、抗ウイルス薬、抗真菌薬の軟膏を処方することができます。

◆レーザーによる治療

低出力のレーザーで口内炎を焼くことで、痛みをすぐに和らげ、治癒を促すことができます。

◆歯みがきや生活習慣の指導

歯ブラシを強く当て過ぎてしまうとお口の中を傷つけ口内炎になる原因になるため、歯みがきの指導を行います。また、生活習慣の乱れも問診し、改めるよう指導します。

◆口の中の装置の調整

口の中を傷つける矯正器具や入れ歯やかぶせ物があれば調整したり作り直したりします。
歯のとがっている部分やかみ合わせを調整することもできます。

◯まとめ

口内炎は誰もが経験のあるつらい症状です。
何度も再発したり長期間治らない場合は何か他の原因がある場合もあるので、おかしいなと思ったらすぐに医療機関に行きましょう。
口内炎も歯医者で対応をすることができます。お気軽にご相談ください。